55 何も知らず、何も知らせず
大学卒業後
48年4月 彼女は地元に戻り地元に就職した。 と思う まだ20才
このときは、具体的な帰郷した日時もどこに就職したのかも連絡はなかった。
すぐに就職できたのかも不明で、それほど疎遠になっていた。
《本当なら、卒業のお祝いでもしたんだろうけど、電話も手紙ももらえなかったね。もう 自分たちの交際は、終わっていたの? 少なくとも貴女は、そう思っていいたの?》
《ずいぶん長く、昔の事を思い出させてしまったね。一緒に見舞いに来てくれた同級生も時間を持て余しているんじゃないかい。もう手を離してくれてもいいよ。でも貴女から初めて手を握ってくれたので、できれば もう少し握っていてくれれば嬉しいかもしれない》
《もう いつのことか忘れたけど、俺の勤務地の近くのバラ園にも行ったよね。しょぼい車しか持っていなかったので、バスと電車で行ったけど、ちょっと恥ずかしい事をしてしまったんだ。貴女は気がついていたのかな。気がついていたら、黙っていてくれたんだね。まだ在学中だったのかな。それとも卒業した夏だったかな?》
淳子を誘って、勤務地の公園にあるバラ園へ行った。自宅から、バス、電車、バスを乗り継いだ。
街で彼女がしたことがないというパチンコをした。
自宅を出るときに、新しい肌着に替えた。この時から恥ずかしい事が起きていた。
地元からのバスから降りて、勤務地への電車に乗り換えた。電車は、向かい合わせのボックスシートで、向かい合わせに座った。自分は進行側、彼女はその反対向き。
電車に乗りふと足元のGパンの裾をみると、なんと新品の肌着のラベルがほつれた裾にふらふらと付着していたのである。それもマークが見える方向で。
ボックスシートで、彼女が正面に座っていたため、かがんでラベルを取ることが出来なかった。
電車から降りて、そのまま次のバスに乗って、座席が前後になり、やっとラベルを取ることが出来た。Gパンの裾に白いものがついていたのが彼女は気がついていただろうか?
もし気がついていたとしたら、恐ろしく恥ずかしかっただろう。
バラ園からの帰りか、パチンコ店に入った。この店はまだ、立ち打ちの店だったが、よく出る、自分には相性のいい店だった。
パチンコ店を出る時、自分は小銭を床に数枚落としてしまった。五円玉と一円玉だった。
《それを拾おうとした時、貴女は、カッコ悪いという表情を隠さなかったよね。一緒に拾ってもくれなかったね。小銭だったためもあるが、他人のふりをされたことが、この時も少々心に引っかかったんだ》
この時の帰りも、来た時と同じ方法で帰ったと思うが、地元に帰って何をしたか記憶がない。
地元のバス停でそのまま別れたのだろうか。
卒業後をやっと書きましたが、時間が全くバラバラです




