35 レンタカー
46年夏 お盆休暇 19才
自分はレンタカーを手配した。勿論、彼女が帰省することが判っている日程を選んで。
しかしどこも空車がなく、なかなか見つからず、そして直前に予約と違う車を手配されて少々焦ったが、なんとか借りることができ、淳子と近くのダムにいった。
市内で待ち合わせて、すぐお昼時になり、さて昼飯でも食うかと言い、手頃なラーメン屋へ入ろうとした時、
「持って来たおにぎりは?」
と 彼女が言った。おにぎりを持って来ていた事は、知っていたが、それを いつ、どこで食べたらいいか、自分の頭にはなかった。
正直二人でおにぎりを食べるような場所とかが思いつかず、時間の経過に任せようとしていた自分がいた。おにぎりは?と聞かれた時、はっきり言って自分の行動を恥じた。
ではということで、ダムに行ってお互いに写真を撮って楽しい雰囲気で過ごした記憶がある。おにぎりをいつ食べたかの記憶は思い出せない。
エアコンのない車で彼女は、ハンカチで汗をふきふきのドライブだった。その仕草の一つひとつが可愛かった記憶がある。
《放流路の下までおりて、また階段を上がる時に写真を撮ったけど、白いシャツ、白のパンツが似合っていたね。大学に行ってから伸ばした髪を手でかき上げるしぐさも良かったけど、俺は、前の髪型が好きだったよ》
直前に買った、ズボンがかなりキツメで、股上が短めであったため、貴方が撮してくれた写真を見ると、股間の状態が、その上から、見て取れる状態だった。これを気にしながらなるべくズボンを下げ気味にするのだが今でいうローライズぽかったためそれもかなわなかった。
休暇終了後、会社の同僚から、レンタカーを借りてダムに行ってたよなと言われた。
レンタカーを借りた事務所はその同僚の実家近くであり、ダムにも近かかったのだが、どこで見ていたかは、判らない。どこかで見られていたのだろう。
《このダムに行ったことは、貴女も楽しかったのかな。でもこれもあとで問題の種になるなんて思いもしなかったよ》




