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手紙から始まった交際・・・・だけど  作者: ロックハート
22/109

22 通学

・・・私は高校一年当時、自転車通学をしており、複数の経路があるにもかかわらず、彼女と同じ道路を選んで通学していた。・・・


《貴方と会いたかったんだよ》


 通学路で途中踏切を渡るのだが、彼女が踏切で自転車から降りるとき、スカートがサドルに引っかかり白い(ちなみにパンツではない)下着がちらっと見える時があった。


 この時を期待していたわけではないが、私は彼女を自転車で追い越すときに


「おはよう」


とか


「さよなら」


 とか声をかけづらかった。自分は、彼女に、朝夕の挨拶が上手くできなかった。

 必然的に彼女の自転車の後を(つかず離れず)付いていくことになり通学路の分かれ道までこの状態が続いた。この状態は、16歳でバイクの免許を取得するまで続いた。


 そのバイクでも・・・


 当時の高校生でも、バイク通学をするようになると、マイバイクを購入してもらう級友も少なくなかった。そして、改造も。


 自分も、他の級友と同様、少しの改造と、少し流行だった特別の部品を付けた。


 それは、カニ目のようなステーの長い二本のバックミラーだった。

 普通のバックミラーは、ハンドルステーに取りつける、腕から左右に、少し出て、高さも少し高いだけ。そしてミラーは、凸面鏡。

 自分が付けたミラーは、目線の高さまであり、ミラーは、平面鏡だった。このミラーであれば、後方は、大きく見えた。

 このミラーを付けた理由は、自転車で通学する淳子を、追い越したとき、ミラーに写る彼女を、少しでも大きく見たかったためである。実際に稀ではあったが踏切で停車したとき、後ろから付いて来る淳子をずっとミラーで見つめていたこともあったかな。

 

 《朝は無理だったろけど、たまに会う下校時だったなら、会話してもよかったのに、どうしてもできなかったんだ。もっと堂々と交際をしても良かったのに、貴女がそれを望んでいないと思っていたんだ》


 このミラーは、級友の間でも噂になり、どこから買ったとか、俺も欲しいとかの話題は提供した。しかし俺の真意はだれも知らないはず。


 あ 友人 正樹は、気づいたらしく、このミラーで後ろの顔を見たいからだろ と本心を見抜かれたような、会話をした記憶が・・・


 


・・・まだ自転車通学のとき踏切をわたるとき・・・


 やはり同じ踏切で、列車の通過待ちをしていたときだった。

同じく何人か通過待ちをしていた。カンカンと信号が鳴っていたが、たぶん遮断機はなかったのだろう。

 自分は手前側の上りの貨物列車が通過したのを見届けて、自転車を漕ぎだした。

踏切の下り線(反対側の)レールを通り過ぎるころ、自転車のすぐ後部を列車が正に轟音を残して通過していった。


 そう 自分は 下り線路を通過する列車の信号を無視(聞こえてなかったか、既に通過したあとの信号の音だと思って)して踏切を渡ったのだった。いま通過中の列車に気がついたのは、後ろを通過した時だったので、あわや列車に跳ね飛ばされる寸前だった。

 咄嗟に後ろを振り返ったのだったが、列車と自転車の後部との距離は30㌢程度だった気がする。

 まだ踏切で待っていた数人は、まだ列車が通過しようとしている踏切を渡ろうとした自分を相当驚いて見ていたと察する。

 自分も相当驚いたが、とりあえず命があったので、何食わぬ風を装いそのまま自転車をこいだ。

 注意を即す汽笛も聞こえなかったので、列車の機関士は、汽笛に驚いて自転車を止められるより、そのまま通過させたほうがいいと判断して、汽笛を鳴らさなかったのだろうか。

 それとも、聞こえなかったのだろうか。

九死に一生の出来事だったかもしれない。



《野球応援 高校夏 互いに対戦相手になったよね。応援席から捜していたのを知ってた?》


 自分の学校は新設校だった為、高校野球では、常に全校応援の機会があった。春、夏の大会か、彼女の学校と何度か対戦したことがあった。

 応援席から、相手応援席を捜し、トイレに行けば(相手側応援席の後ろに出た)偶然を装って会える機会も増えるのだが、会えなかった。

 自ら名乗り、会いに来てもらおうかとも思ったが、野球の応援も教育活動の一環?などという邪魔な考えもあったりして、呼び出すことは出来なかった。衆人環視のなかで、会いたという、夏の思い出ともしたかった。


 冬期間は、ほとんどバス通学であった。朝もバス停で会えたのだが、例のごとくお互いに知らんふり。


 お互いの自宅は、バス停を挟んでちょうど反対側にあるため、バスを待つ間、乗降場所を中間にして、離れた場所で待つことになっていた。ほとんどの客は、知り合いで、少なくとも一緒に乗る大人は、高校生である自分たちを、何処の家の子供という事は知っているはずであり、目立って話しをすることは出来なかった。

 彼女は、朝の通学時、自分より早く降りる都合上入り口の近くに留まる。自分は、街なかのほとんどの乗降客が降りるバス停で降りるため、後ろの方へ行く場合がほとんどであった。常にぎゅうぎゅう詰めの車内でも、稀に近くに留まる事もあったが、お互いに知らんふり。しかし自分の見つめる先は彼女だった。自分はなるべく近くの方がよかったのだが、たまたま近くになったとしても、決して目もあわせてくれなかった。

 自分は、 彼女の意にそぐわないことは出来なかった。自分は身長が高く、他の乗客から頭ひとつ出ていたので、彼女を探すことは容易だったが、反対に彼女は背が低く、客の中に埋没するため自分を探すことは出来なかったと思う。


 確か一年の冬の通学で、同じ方向へ帰る高校同級生のほとんどと、彼女と帰りのバスが一緒になる時があった。地域での新設校で専門教科の話を、普通高校の授業と比較して、ここが難しいとか、普通高校では、これは習わないだろう電気公式の話で盛り上がった事があった。


 同級生同士、大声で会話していたのだが、自分と同じバス停で降りる彼女は下車してからの一言が


「うるさい」


だった。

 

 三年の冬では、同級生正樹と、バス時間を気にしながらも、お互いの共通趣味の電器店を覗いていて、そろそろという時間で店をでると、店の前をバスが通り過ぎて行くのが見えた。

 バスを追いかけるように二人で走り、混みあう乗客で、時間がかかる為、なんとか次のバス停で乗車できたのだが、これを彼女がバスの中で見ていたらしく、下車したバス停で一言


「遅れればよかったのに」


だった。


 時々出る彼女の、憎まれ口で、そうだと、わかっていたが、彼女に笑顔はなく本気で言っているようにも見える、これも彼女の一面だった。

 クラブの帰り等で、一緒に乗ったバスでも最終便のバスでは、冬期間、既に暗くなっており、バス停で話し込むとか、帰る方向が反対方向であったため、送ってあげるとかは、一切なかったし、考えもつかなかった。もっともどちらの方向へも、誰かしらいたために(最終バスでは、高校生もたくさん乗車していた)、そんな行動はたいそう目立ったろう。



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