17 卒業も近く
中学卒業近くでもいろいろあります
放課後そろそろ生徒が帰宅する時間帯で、一階廊下から、二階へ急ぎ気味で、登っていく彼女の姿を見かけたので、話でもと遅れて階段を上がって追いかける。
二階へ着くと、中三階に行く階段の手すり寄りかかり、しゃがんでいる彼女を見つけた。彼女は自分の指を口にあて、
「シー」
といい、頭を振って、こっちに来ないでという素振りだった。
二階へ上がれば、どう見ても気付かないはずはないのだが、自分は、何が何だかわからない状態で、彼女に気づかなかったふりで、そのまま階段を行き過ぎ、教室に入った。
後で、どうしたと聞けば、誰かが自分を探しているから、隠れているということであった。
その後どうなったか記憶が無いが、次の記憶に繋がっていたのかもしれない。
《放課後に誰もいない教室で二人で話こんだことがあったよね》
どちらからも、もう帰ろうとは言い出せず、幸せな時間だった。
《二人で出窓の棚に腰掛け、お互いに半身で向き合い、いつまでも話したよね。卒業は近かったけど、俺は卒業の二文字は考えたくなかったんだ。二人でいる今が大事だったんだよ》
隣のクラスから壁に空いた穴で私達の事を覗いていた同級生があった。自分は気づいていたが気にしながらも、それは問題ではなかった。
夕方になるまで、進路や、同級生の友人の話題を話し込んでいた。(夕日が差し込んで教室全体をオレンジに染めていた事を思い出す)(その夕日が隣のクラスにも差し込んで穴からこちらの教室に差し込むのだがそれが時々途切れてることと、不確かだが覗いている眼も見えたような記憶がある)
話の途中、だれが覗いているか、となりの教室へ行くと、既にだれもいなかったが、一人は、中学一年のとき、手紙を貰った時に自分をからかったやつだとは、気が付いていたが。
この時、もう俺達は、だれに知られようが交際を隠す必要はなかった。二人だけの時間がなにより必要だったかもしれない。
《校舎から音楽室まで追い掛けて俺を見てくれていたこともあったよね》
放課後の帰宅途中の校庭内で、廊下の窓から長い間、自分は視線を感じていた事がある。視線を感じて振り向いて目線があっても、すぐ眼をそらされることが気不味く、反対に自分が目線を向けていて、気づかれてすぐ視線をそらすことの不自然さもあって、あえて無視することで、そのまま校門を抜けて校庭の外に出た。
校門から出てもまだ、校舎から見える範囲で、まだ視線を感じていた。
顔は正面で、視線を少しその方向に向けると、すぐ、視線は消えて、音楽室の窓から彼女の髪と少しだけ顔が見えた。(俺の視線が向いたことで、頭を引っ込めたのだろうか、全部の顔が見えたわけではない。髪型で彼女であろうと察しがついた) でもあらためて、振り返って見ることはなかった。もし貴女だったら、好意を表してくれることに照れもあった。何を話したらいいのか正直わからなかった。
《これって貴女でしたか? 視線ってよく感じることがあるけど、貴女の視線は特別だったような気がします》




