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修悠学園パラレル生徒会  作者: 飛鳥 梨真
プロローグ
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プロローグ

 ――2030年6月下旬。

 縦6列×横6列、合計36個の机と椅子が並んだ教室。どこにでもある高校の一風景。

 その中央辺りの席で、彼は俯いたままただじっと耐えていた。

 顔などあげられようはずもない。

 彼の目と鼻の先、教室の前方中央では、気の弱そうな女性教師が、赤べこの人形よろしくヘコヘコと頭を下げていた。彼の母親に向かって。

 周囲の視線が痛い。母親の喚き散らす声に混じって、ヒソヒソと何事かをささやく声も聞こえてくる。

(もう嫌だ、こんなの……)

 この学校に入って、こんな思いをするのはもう何度目だろうか。

 彼は何回も母親に言った。もうやめて、と。しかしそのたび、決まって彼女はこう返してくるのだ。

「全部あなたの為だから」

 その「あなたの為」の行いが彼自身を追い詰めていることに、母親はまるっきり気付いていなかった。彼が断固たる態度で迷惑だと訴えれば、母親も聞き入れてくれるのかもしれない。が、そのことで彼女が傷ついてしまったら――と考えると、おいそれとそういった手段に出ることもできず……。そんな自分自身が、彼は一番嫌いだった。

 そんな何度となく繰り返してきた思索からふと我にかえれば、言いたいことを言ったのか、母親が教室から出ていくところだった。廊下を横切る彼女の影が窓から消えた途端に、教室中が騒然となる。これもまた、幾度となく繰り返されてきたことではあるが。

 母親がいる間は控えめだった内緒話も、そのトーンを上げている。内容が鮮明に聞こえてくると、大半は彼に同情する物であることがわかるのだが、彼にとっては内容などどうでもよかった。ただでさえ目立つことを苦手とする自分が、こういう形で注目の的になる。そのこと自体が、彼にとっては精神をすり減らす要因となっているのだ。

 こうして、この日もまた一つ、彼はストレスを溜めていった。



 この溜まりに溜まった彼のストレスが、数ヵ月後一人の教師を辞職に追い込むことになろうとは、この時この場にいた誰も――彼自身でさえも――知りえなかったであろう……。

 初投稿になります。まだまだ至らない部分も多くあるかと思いますが、少しでも楽しんでもらえればな、と思っているところです。

 プロローグは少し重い感じですが、今後はもう少しライトタッチになる……予定?

 何はともあれ、感想、批評等お待ちしております。

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