8話 ヨーカ基本情報
これから向かう異世界の街について、事前に調べた情報をまとめておこうと思う。
マミと出会う前、森林地帯外の情報収集に入った比較的初期の頃に、拠点から150キロほどの海沿いに、そこそこ大きな城塞都市を発見していた。
商売や貿易、観光などを始める前段階で、偵察用小型ゴーレムによる情報収集を行っていたのだ。
偵察用小型ゴーレムは飛行可能な昆虫型にしており、映像・音声を後から見返して確認できるようにしていた。
基本的な蠅型と蜂型をはじめ、状況により飛行能力のない蜘蛛型など、現時点でも数種類が存在する。
昆虫型とはいえ、旧型の土製偵察用昆虫型小型ゴーレムの大きさは5〜10cmほどある。
実際の昆虫に比べて非常に大型のため、認識阻害魔法でごまかしつつ運用していた。
新型の金属製小型ゴーレムなら、性能を落とさずに実際の虫たちと同程度の大きさだ。
さらに認識阻害と併用すれば“偵察用ステルス小型ゴーレム”として非常に優秀なため、現在は順次新型への移行期間中である。
「偵察用小型ゴーレム」とは、いわば魔法製小型偵察ドローンである。
サポちゃんに管理させ、必要な情報はサポちゃんに聞けば何でも答えてくれるようにしている。
ここからは、そんな偵察用小型ゴーレムで集めた異世界都市の基本情報である。
【国情報】
密林地帯南側の平野部にある。
国名:「アメリアハーフランド帝国」
通称:アメリア、アメリア国。
国内総人口:約90万人。
国王:「チャールズ・フォン・アメリア8世」
首都:「帝都セントラルアメリア」
通称:セントラル、帝都。
帝都人口:約20万人。
封建社会で、絵に描いたような悪徳国王。
国民を国の奴隷としか見ておらず、王族至上主義。
まもなく建国150年。
治安は決して良いとは言えないが、アメリア国内では比較的良い部類。
【発見済みの湾岸城塞都市】
都市名:「ウエストヨーカ」
通称:ヨーカ
人口:約6万人
領主:「ジョージ・フォン・ヨーカ7世」
爵位:伯爵
思想:貴族保守派の貴族至上主義
領民を奴隷としか見ていない
主要産業:奴隷売買(人攫いによる違法奴隷も普通に売買)
犯罪組織や領主と奴隷商が繋がっているため、無法状態。
10歳以上の少女の誘拐事件遭遇確率は約6割。被害者の多くは違法奴隷として娼館へ。
領主も取り締まる気がなく、女性の独り歩きなど到底不可能な治安状態。
行政や立法は独裁的、司法は完全に腐敗。
領主・大商人・犯罪組織が密接に結びつき、一部富裕層による奴隷的支配体制が確立。
治安は極悪で、殺人事件は多いときで1日100件近く、そのほぼ全てが未解決。
しかも統治者側が住民に危害を加えることも多々ある。
政治は腐敗しきっているが、目立ったレジスタンスは現れていない。
現時点の印象は「揉めたら即殲滅で問題なさそう」なくらい腐った国と領主。
【貨幣情報】
・銅貨(C)、銀貨(S)、金貨(G)の硬貨が存在
・1,000C=1S、10S=1G
・5Gの大金貨、100Gの白金貨も存在(あまり流通していない)
・読み方:C=コッパー、S=シルバー、G=ゴールド(翻訳魔法の影響と思われる)
・ヨーカ領の平均月収:5G未満
・庶民は金貨を見たことがない者がほとんど
・宿代(一例)
┗相部屋:30泊で1G前後、1泊なら1S、16〜29連泊は500C程度
┗ツイン個室:1泊6S前後
・物価(参考)
┗野菜:1種数個=50〜600C
┗肉:腐りかけの串肉(1本1S〜)
┗魚:小型魚100C〜、高級魚は1尾1G近く
┗大衆食堂:100C〜500C、高級店:1食1G超え
→ 日本の田舎より物価は安い(1C=1円換算)
異世界定番の冒険者ギルドや商人ギルドなども存在していた。
1Sで登録でき、ギルド証と金属タグが身分証の代わりになるという、定番の形式である。
ギルドには等級があり、SSS級・SS級・S級は、領主や王族によって英雄級の功績を称えられて任命される。
通常等級はA〜Fで、C級以上にはC+・B+・A+も含まれており、全部で9等級となる。
傭兵依頼なども存在するため、この世界においては「冒険者=傭兵」と考えて差し支えない。
【等級一覧と条件】
・F級(駆け出し冒険者):冒険者登録後3ヶ月以内、もしくは最後の依頼から3ヶ月以内に1件の依頼を成功させなければ、冒険者登録資格を剥奪される。
ただし、人格や行動に問題のない者であれば、1Sで再登録が可能。
・E級:連続した3ヶ月以内に、合計30G以上の依頼達成実績。
3ヶ月連続で月収が10Gを下回るとF級に降格。
・D級:連続した3ヶ月以内に、合計45G以上の依頼達成実績。
3ヶ月連続で月収が15Gを下回るとE級に降格。
・C級:連続した6ヶ月以内に、合計120G以上の依頼達成実績。
3ヶ月連続で月収が20Gを下回るとD級に降格。
・C+級:C級以上の冒険者が、さらに連続した6ヶ月以内に120G以上の依頼を達成した場合、C級以下に降格しなくなる。
月額家賃5G程度の賃貸物件を無担保で契約できる程度の信用がある。
帝都では“一人前”とされる冒険者。
・B級:C+級の冒険者が、連続した6ヶ月以内に180G以上の依頼達成実績。
3ヶ月連続で月収が30Gを下回るとC+級に降格。帝都でも名前が知られはじめ、有名冒険者の仲間入りとなる。
・B+級:B級冒険者が、さらに連続した6ヶ月以内に180G以上の依頼を達成した場合、B級以下に降格しなくなる。
月額家賃8G程度の賃貸物件を無担保で契約できるほどの信用がある。
・A級: B+級の冒険者が、連続した12ヶ月以内に600G以上の依頼達成実績。
6ヶ月連続で月収が50Gを下回るとB+級に降格。誰もが羨む“一流冒険者”。
・A+級:A級冒険者が、さらに連続した12ヶ月以内に600G以上の依頼実績で、A級以下に降格しなくなる。
帝都の貴族街など高級住宅地に住めるほどの信用がある。
・S級:A級以上の冒険者が、英雄的功績を貴族や王族に称えられ任命される。
子が相続できない一代限りの男爵位が授与される。
・SS級:S級冒険者が、王族より英雄的功績を称えられて任命される。
子が相続できない一代限りの子爵位を授与される。
・SSS級:SS級冒険者が、王族と子爵位以上の貴族から認められて任命される。
子も相続可能な子爵位または伯爵位が与えられ、功績によっては王族から領地を与えられることもある。
歴史上、数名しか存在しない伝説級の等級であり、ヨーカ家の初代当主もかつてアメリア統一戦争の際に英雄的活躍をした元SSS級冒険者である。
現在、ヨーカには最大でC+級の冒険者が数名在籍しているようだ。
アメリア国内全体では、S級冒険者が5名ほど在籍しており、C+級以上の冒険者の中から数名が国や情報機関に属している。
また、B+級以上の冒険者全員がセントラル軍のいずれかに所属しているらしい。
【依頼ランクと内容】
依頼はA〜Fの6ランクに分かれており、難易度や危険度によって推奨される冒険者等級はあるが、基本的にすべてのランクの依頼を誰でも受けることができる。
依頼の種類は以下の通り
・雑事:街のお困りごとや手伝い(Fランクが多い)
・採取:薬草などの採集。危険地域のものはC級以上推奨
・護衛:商人や下級貴族の護衛(C級以上推奨)
・調査:魔物や魔獣の発生が疑われる地域の確認(C級以上推奨)
・討伐:危険な魔物や魔獣の駆除(B級以上推奨)
・常設依頼:薬草採取や下級魔物討伐など(F〜Dランク)
・傭兵:冒険者徴兵制度による軍務的任務
なお、依頼には「等級指定」や「指名依頼」が存在する場合もある。
【税制度と社会事情】
ヨーカの入領税は、公式には身分証ありで1S、なしで2Sとされているが、実際には警備兵の気分次第。
入領者の見た目や態度によって、警備兵が個人の裁量で増減させる。
犯罪者でも、賄賂さえ払えば素通りできるのが現状である。
また、所得税として収入の6割を領主に納めなければならない。
街の噂では、近々税率の引き上げが予定されているとも言われている。
なお、異世界言語については最初まったく理解できなかったので、【異世界言語翻訳魔法】により、この国の言語を自動翻訳できるようにしてある。
基本的な情報は以上とし、残りは現地で調査する。
戦争などの面倒事に巻き込まれないよう、ヨーカやアメリア以外の街や国についても情報収集を続けるため、偵察用ゴーレムを引き続き各地に派遣する。もちろん認識阻害魔法をかけ、各組織の調査も進める。
なお、ヨーカで噂になっている薬屋の看板娘に関する事件——
領主の息子による悪巧みの情報を掴んだため、(娘がかわいかったので)チートを使って介入することにした。
主要関係者についても、すでに調査済みである。
最終的には、悪徳領主の成敗も視野に入れて、行動していく予定だ。
終焉の暁シュウエンノアカツキと言います。
小説を投稿しだして間もないです。
よろしくお願いします。
エックス(旧ツイッター)始めました。よろしくお願い致します。
終焉の暁 @syuennnoakatuki




