12話 2|娘《コ》目①
異世界建築、デザインいいね。
"薬屋サイヤ"はシンの家とはまた違う、魔女の家感が半端ないね。
薬屋サイヤを例えるなら、宮崎さんとこのキ○の実家に近いね。
あそこも魔法薬屋だし、家の中で薬草育ててる影響で、採光高めに作ってあるしね。
カウンターの内側にあるテーブルに案内され、お茶を待っている間にこの家に、"商売人の加護魔法"(商売相手から好印象、売却時相場以上、購入時相場以下)、【商売繁盛の加護魔法】(店や店員に害意や悪意がある者にだけ、店自体に認識阻害)、【有害生物除け】をかけておいた。
しばらくしたらお茶を持って戻ってきたので、早速残りの"隷属"、"支配"の付与魔法をサーシャちゃんにかけ、○△隷製造魔法を完成しておいた。
サーシャ「アタシ、サーシャっていうの。お兄さんは?」
シン「シン。冒険者で、商人志望」
サ「シンさんね。本日はどういったご用件で?」
シ「うん、実は…」
アイテムボックスからグレートグリズリーの胆嚢を4つ取り出した。
1つは通常種、3つは魔獣種だ。
ガタン。椅子から飛び跳ねるサーシャちゃん。
サ「…」
そっと手に取る。
サ「ゆ、ゆうた…」
サ「魔獣種!しかも3個も?」
興奮度やばいね。
シ「買取できる?」
サ「…」
サ「ちょっとうちじゃ…」
シ「? こいつの相場っていくらくらいなん?」
サ「これだけの高品質品、おそらく新鮮さが違う。通常種でこの大きさなら100Gくらい」
!
茶ぁ吹きそうになった。
シ「魔獣種なら?」
サ「時価。最低300」
今ここのテーブルに、1000G近いシロモノが…
サ「シンさん、取引しない?」
シ「内容は?」
サ「ちょっとうちの店じゃ、この熊胆は全部買い取れない。
そこで、この通常種の3分の1程度なら、今すぐ準備できる30Gで買い取るよ。
残りの熊胆はアタシに預けてみない?もちろん、シンさんがアタシを信じられる分まで。魔獣種の方なら、
ひとかけらだけでもいいし。担保ならあるし、借りた分の利子も払うし。何なら噂に聞く、
帝都でたまにやる魔法契約ができるなら、魔法契約書交わしてもいいし。」
シ「なんでそこまで?」
サ「絶対に儲かるから」
シ「そんなに?」
サーシャは真顔のまま、無言で頷いた。
どうやら馴染みの商人に、高級薬類を捌く伝手があるらしい。
絶対に飛びつく、どころか希少すぎて馴染みの商人なら全財産はたいて買ってくれる。
捌いたらまた買いに来てくれる。
とのこと。要するに委託売買だ。
シ「それなら直接その商人紹介してよ」
サ「!」
驚いたような表情。
だんだん悔しそうになっていく。
その手があったか…みたいな。
サ「委託販売させてくれたら、」
シ「させたら?」
サ「絶対損はさせない…タブン…。」
シ「どうやって?」
サ「利子は体で払う。商売する気なら、教えられることは教えるし、
何なら商売自体直接手伝う。
もちろん、この薬屋もあるし、アタシのできる範囲で。」
ふーん。
そう来たか。
あの魔法、相変わらず効果は抜群だ。
でもちょっと意地悪して、とぼけてみるか。
※12話後半は、公式スピンオフとして後日改めて公開予定です。
終焉の暁シュウエンノアカツキと言います。
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