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11話 コレクション収集準備

 ヨーカの薬屋にグレートグリズリーの胆嚢を買い取ってもらうため、偵察用小型ゴーレムで調べていた時のことだ。



 老舗の薬屋の看板娘が、どうやら領主の息子に目をつけられて、酷い目に遭いそうなので商店街総出で守ってやろうと息巻いている連中を、ゴーレムが発見した。


 そのままそいつらを監視することにした。


 

 領主側も別のゴーレムで調べてみた。

 

 クズ領主のクズ息子が今度成人するようで、今度宴の席に女の子を無理やり呼びつける気のようだ。


 自分の家の使用人に手当たり次第手を出し終えたその息子は、自分の成人を祝う特別な日に、領民の中から見目麗しい女性を手籠めにしようと考え、執事長に「何人か見繕って連れてこい」とゲスな命令を下したみたいだった。


 

 あまり乗り気ではない執事長も、次期領主からの“勅命”は断れず、渋々ながら命令に従った。

 

 領主と懇意の商人たちから情報を集め、難なくヨーカの"薬屋サイヤ"の娘に辿り着き、直接現地に赴いて領主邸に出向くよう申し付けたところ、居合わせた客や近所の商店から抵抗されて失敗したようだった。


 クズ息子には「ヨーカの領都には、見目麗しい女はいなかった」と報告したが、すぐに薬屋の娘が美しいらしいという話を執事と同じ商人から仕入れてきたクズ息子は、冒険者ギルドに対して「ギルド員を使って力づくで連れてこい」と圧力をかけた。


 

 とはいえ、冒険者ギルドもバカではなかったようで、なるべく穏便に、かつ失敗するように──

 

 次期領主への言い訳が立つように──

 

 ギルドはチンピラ冒険者数人に「数日置きにちょっかいをかけに行け」とだけ命令する程度にとどめた。


 

 ヨーカ冒険者ギルドとしては、ポーションなどを卸してくれる希少な薬屋を簡単に失うわけにはいかない。

 

 先代のサイヤは亡くなったばかりだが、「ここ1〜2年のポーションの調薬はすべて、新しく店主になった弟子のサーシャが行っている」とサイヤからすでに聞かされており、ポーションの品質も以前と変わらず、他店より高品質なのだ。


 

 そんなこんなで時間を稼いでも、領主のクズ息子は、もう「薬屋サイヤ」の娘に目をつけていた。


 

 今にも難癖をつけて逮捕しそうな状態だったので、監視していた偵察用小型ゴーレムから──


 

 【思考行動誘導】【肉体疲労増量】【自然回復無効】【永久脱毛】(全身)、"悲運と股間激痛の呪い"──を、魔法転送で遠隔発射。

 

 クズ息子にしっかり喰らわせておいた。


 

 いつでも薬屋を襲撃できるよう準備だけさせておいて、こちらの都合のいいタイミングで襲撃させ、ゴクウよろしくのナイスタイミングで助けに入って心象を良くし、パツキンかわいこちゃんに恩を売って最終的にムフフな展開を狙う……という妄想をしておいた。




 ここまでは、家ができた直後の出来事だった。

 

 この後、マミに出会い、一旦は落ち着いたものの──


 目指すは“ドエロい異世界ハーレム生活”である。


 

 あまり多すぎるのも面倒なので、とりあえず2人ほど自由にできる手駒を近くに置いておけば充分だ。


 

 この薬屋の娘、偵察ゴーレムで観察してみるととにかく美人。

 

 体型もスラッとしていて、マミとはまた違う雰囲気のかわいさがある。


 

 "解析鑑定"してみると、


 名前 サーシャ

 年齢 ○△歳

 経験人数 0人(処女)

 称号 (無し)

 状態 健康


 

 だった。

 

 この娘、俺がもらおう──そう思った。


 

 この個人情報丸見え魔法で分かったのは、この世界、文明がそこまで発達していないせいだと思うが、やはり貞操観念がやや未発達だということ。


 このくらいの年齢の娘の処女率、日本だと(何情報か知らんが)95%くらいあったと思う。

 

 が、しかし、この世界ではこの年代の処女なんて、いないいない。

 

 たまにいても、ブ○しかいない。


 

 儲けもんなので、鳥型ゴーレムのホークも護衛につけておく。


 

 ゴーレムの近くには、いつでもワープできるし、ゴーレムが他のゴーレムを召喚できるように、【ゴーレム召喚の魔法】を作成した。

 

 あとは、ゴーレムから"魔法転送&遠隔発動"で"ゴーレム召喚"すれば、アイテムボックス内に待機させた戦闘用ゴーレムなんかを、いつでもどこにでも大量投入可能だ。


 

 正直言って、これがあればアメリア・ハーフランド帝国なんて敵じゃないと思う。

 

 騎士団だろうが軍隊だろうが、何でもござれだ。


 

 帝都軍の魔法騎士団を偵察してみると、たしかに地球にはいない魔法戦士が存在はする。

 

 が、数が少なすぎる。

 

 火力は、精々“高機動火炎放射器”、良くて“高機動戦車”程度。

 

 火炎放射器級が数百人、戦車級は片手で数える程度しかいないようだった。


 

 "思考行動誘導"と【隷属】それに【支配】の魔法があれば、アメリア・ハーフランド帝国程度、いつでも落とせる状況だ。




 ──話は戻って、クズ領主のクズ息子の件。


 "肉体疲労増量""自然回復無効""悲運と股間激痛の呪い"。

 

 ついでに、"永久脱毛"(全身、主に髪)もかけたので、"ヤバい病気にかかった"と"思考誘導"し、肉体的にも精神的にも追い詰めてある。


 

 "自然回復なしの呪い"は、普通なら軽傷で済むはずの切り傷や打撲でも死ねる“やばいやつ”だ。

 

 そこに“悲運”が重なれば、もう他に何もしなくても、こいつは長くはないだろう。


 

 死ぬ前の本能? で性欲が上がるらしいが、今のこいつは息子が元気になると超激痛が走るのだwww


 

 想像だけで飯三杯いける。


 草生える。ざまぁ。




 マミとしばらく──1週間くらい──一緒に運動できないので、代わりに一緒に運動できる娘を捕縛(ゲット)しに行こうと思う。

 

 ついでに、溜まった素材なんかを冒険者ギルドで現金化できれば、一石二鳥だ。


 

 朝、出かける前に領主のクズ息子に行動を起こさせようと、"思考誘導"を試みたところ、サポちゃんから返事があった。


 「今からヨーカに向かい、冒険者ギルドで素材処分後、そのまま“薬屋サイヤ”に向かえば、ちょうど良いタイミングになるよう手配いたします」

 

 とのことだった。


 

 冒険者ギルドでの素材売買も無事に終わり、【好印象の加護】を自分にかけておく。

 

 さらに、【魅了】と【運命を感じる魔法】を"魔法精密操作"にセットして、良いタイミングに備える。


 

 というか、この魔法の発射タイミングをサポちゃんに任せて、近くの"偵察用小型ゴーレム"に死角から撃ってもらおうかな。


 サポちゃん「承知しました。目標、サーシャの死角から、"偵察用小型ゴーレム・モデル(アント)"より、目標に向かって、私の任意のタイミングで発射いたします」


 とのことだった。

 

 オート発動、便利そう。今後、多用しそうな使い方だ。




 そんなこんなで、軽犯罪オンパレードを横目に見つつ、薬屋が見える位置までたどり着いた。


 なんか、野次馬がいるみたいだ。

 

 自分に【反射・反応上昇、敵対する周囲の生物に反射・反応減衰の加護魔法】をかけておく。


 フードを脱いで、サーシャちゃんまで数メートルのところまで近づくと、サーシャちゃんに詰め寄っている3人のうちの1人が、サーシャちゃんの腕を掴んだ。




 ──触んな。汚ねえ。──そう思いつつ、そいつの肩を掴んだ。


 シン「なんしよん?」


 その時、「"害意・悪意感知"に反応あり。左方2名、右方3名、後方の野次馬にも2名。想定対象12名中、10名がこの場に集中しているようです」と、サポちゃんから報告が上がった。


 うん。直接感じ取れる自分の感知魔法でも、同じ反応がある。


 10人全員がシンを認識すると同時に、害意・悪意を放っている。


 ちょっと脅すつもりで、肩を掴んだやつをその場で捻り潰した。

 

 しばらく、こいつの肩は使い物にならんだろうね。


 

 あんまりサーシャちゃんに血みどろは見せたくないもんで、なるべく穏便に済ませてやろうと、この時はまだ思っていた。


 "感知魔法"と"反射・反応上昇の加護"、"身体強化"をかければ、チンピラ10人など敵ではない。

 

 どころか、だいぶオーバーキルだった。


 8人倒すのに、多分1分とかかっていない。

 

 ビビったやつも、一歩踏み込めば掴める、当たる、吹っ飛ばせる。

 

 我ながら、けっこうカッコいいんじゃないかと思う。


 

 最後に残った2人が、野次馬の中から出てきて、シンを挟んで両側に立ち、ナイフを出した。


 

 せっかく手加減してやったのに、残念だ。

 

 イラっとしたところで──


 

 チンピラ冒険者9「お前ぇ、俺らに手ェ出して……!」

 

 シン「おまえら、それ、悪手だよ」


 

 アイテムボックスから刀を出した。

 

 最近作った自信作だ。


 

 この世界の剣じゃ、せいぜいフェンシングみたいなものしか想像できんし。

 

 日本じゃフェンシングなんて、4年に1度くらいしか見る機会ないし。

 

 そう好きでもないし。


 

 その点、刀ならいくらでもイメージ湧くし。

 

 抜刀術とか、めっちゃ(ゴーレムが)練習したわ。


 

 ナ〇トが昔、影〇身で螺〇丸の練習をしたときみたいに、並列演算・多重精神分身ゴーレム(シンのゴーレムは全部そう)で、ひたすら練習した甲斐あって、刀の扱いはもうお手のもんだ。



 先に後ろを振り返り、チンピラ冒険者10のナイフを、手首ごと下から上に薙いだ。

 

 流れるような動作で振り返りながら、チンピラ冒険者9のナイフを、手首ごと上から下に刀で振り下ろす。

 

 これ以上暴れないように、鼻と口を結界魔法で塞いでやって、刀はいったん仕舞っておこう。


 

 漫画的に言えば、


 「ナイフ(そいつ)は脅しの道具じゃないんだよ……」


 かな。


 すぐに意識も飛んだみたいだ。

 

 もう、動かない。


 

 ……


 

 この時、気づいてしまった。


 対人戦って、結界魔法だけでよくね?

 

 こんなの耐えられるの、刃○くらいじゃね?


 

 結界魔法、それに結界形状操作、マジで優秀。

 

 マッドガンとか、下手したら要らんレベルやん。


 

 サーシャちゃんにトラウマとかできたら困るから、こいつらに認識阻害をかけておく。

 

 存在そのものが気薄になるんじゃなくて、視覚的に“モザイク”がかかるイメージで。


 

 シン「大丈夫?」


 サーシャ「……」

 

 顔、赤いな?

 

 サポちゃん、もうやったかな?

 

 サポちゃん「やりました。」

 

 了。さすサポ。

 

 サポちゃん「恐れ入ります。」

 

 サ「あ、あの、」

 

 シ「んん?」

 

 サ「助けて頂いて、ありがとう、ございます。」

 

 シ「うん、別にいーよー。」

 

 まだ終わってないし。

 

 本番は今からやし。

 

 シ「ちょうど薬屋に用があってね。運、よかったね。」

 

 サ「え、お客、さん?」

 

 シ「ん? 薬屋の店員さん?」

 

 知ってるけど、知らないフリ。

 

 サ「えっと、一応、店主、です。」

 

 シ「あぁ。そりゃ丁度いいや。実は買い取ってもらいたい物があってね。」

 

 サ「じゃあ、中でお話し伺います。」



 ちょっと待ってね。そろそろ……



 若い男「おい!」

 

 振り返るとそこに、貴族風のボンボンが、えらい仰々しい取り巻きを20人くらい連れて立っていた。

 

 領主のクズ息子だ。


 

 サーシャちゃんがビクッとなった。

 

 可哀想に。さすがにちょっとびびってるな。

 

 もう、すぐにでも済まそうかね。


 

 貴族風の若い男。この国の貴族の成人は15らしい。

 

 15のガキにしてはデカいね。

 

 シンより少しだけでかいような気がするから、185くらいかな?

 

 金髪青目の美男子。貴族だからか、顔つきはいい。顔だけだが。


 

 まぁ、先祖代々、顔だけで嫁を選んできたんだろ。


 

 ただし、シンがかけた呪いのせいか、顔色が悪い。

 

 もはや病人だ。髪も薄く、地肌が見えるほどだ。


 

 執事風の老紳士が口を開いた。

 

 「控えおろう。此方におわす御方が目に入らぬか。

 

 こちらにおわす御方をどなたと心得る。

 

 恐れ多くも当ヨーカ次期領主、アルフレッド・フォン・ヨーカ様であらせられるぞ。

 

 一同、頭が高い! 控えおろう!」

 

 おい、異世界言語翻訳魔法。ホントにこれで合っとんやろな?

 

 サポちゃん「ノリは完全一致、直訳は……」

 

 長そ。いらね。

 

 サポちゃん「承知しました。」

 

 何、黄門やねん。


 

 まわり、びびってるな。

 

 サーシャちゃんも不安そう。


 

 西洋鎧を着た、隊長格風の男が一歩前へ出た。

 

 隊長「今日はこの薬屋主人に対して、所得税、相続税の申告漏れの嫌疑がかかっておる。


 その家宅捜索に参った。事前に使いの者を何度も店まで足を運ばせたにも関わらず、再三の出頭要請に応じず、逮捕状も出ておる。心するが良い。」

 

 そう言って、大層な書状を懐から取り出し、大声で読み上げようとした。


 

 クズ息子がスッと隊長の前に手をかざす。

 

 頭を下げ、一歩引く隊長。

 

 クズ息子「聞けばその方、先日親同然の者を亡くしたとか。


 その方にも並々ならぬ事情がある事と思う。


 ここはひとつ、私が助けてやらん事もない。


 ただし、条件はあるがな。」


 

 クズ息子、顔が笑ってない。

 

 今こいつ、出来ないからね。

 

 エロい事。

 

 腹いせに、なぶりものにでもするつもりかね。


 

 サーシャちゃん、顔が青ざめて何も言えない。

 

 一部の周りの大人たち、今にも領兵たちに襲いかかりそうだ。


 

 サポちゃん。

 

 サポちゃん「承知しました。」

 

 シンは「パチン」と指を鳴らした。

 

 クズ息子、老執事、隊長を含む取り巻き全員、動かなくなった。

 

 サポちゃん「全員の意識消失、確認しました。体を支えている結界魔法を解除しますか?」

 

 もう一度「パチン」と指を鳴らした。

 

 やれ。

 

 一気に全員、その場に倒れ込んだ。

 

 つーか、早くない? 意識飛ぶの。

 

 サポちゃん「結界魔法で体を覆って支えると同時に、その結界内の酸素だけ、アイテムボックスに収納しました。意識が無くなるまで10秒ほど無酸素状態にしました。」

 

 うん。こえぇ。

 

 知ってる。聞いたことある。酸素濃度弄るとか、もはや必殺級やん。

 

 サポちゃん「蘇生回復いたしますか?」

 

 放置で。死んだら死んだで、俺が犯人だと悟らせて。

 

 サポちゃん「承知しました。領主の息子ですが、呪い魔法の“自然回復無効”が付与されているため、このままでは高確率で死亡します。よろしいですか?」

 

 うん、放置でいいや。この際、領主から派手に恨まれようか。

 

 サポちゃん「承知しました。」


 

 周りを見回すと、さっきまでキレかけてた一部の野次馬──こいつらがサーシャちゃんの味方の商店街の連中だが──倒れて痙攣してる騎士団員たちを足でつついてる。


 サーシャちゃん、シンの顔見てポカーンとしてる。

 

 ちょっとかわいいな、とか思ってたら──


 

 サーシャ「お兄さん、凄腕の魔術師さん? こんなすごい人が国や領主に仕えてないなんて、何してる人?」

 

 シン「ま、そんなトコロ。さっき冒険者登録したから、名乗るなら冒険者、やけど今後は色々と商売しようと思ってる。」

 

 サーシャ「へー。どんな商売するの?」

 

 シン「飲食店、衣類、雑貨、魔道具。基本、何でも。」

 

 サーシャ「……」

 

 サーシャ「ちょっと興味あるなぁ。お礼もしたいし、とりあえず店の中においでよ。」

 

 シン「んじゃあ、ちょっとお邪魔しようかな。」


 

 商店街の連中から「よくやってくれた」「助かった」「ありがとう」とか言われながら店に入った。

 

 一応、こいつらは二度とこの店に手出しできないようにしてやるから、放置で問題ないと伝えておいた。

終焉の暁シュウエンノアカツキと言います。


小説を投稿しだして間もないです。


よろしくお願いします。


エックス(旧ツイッター)垢です。よろしくお願い致します。


終焉の暁 @syuennnoakatuki

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