名栗湖
ふと湖が見たいと思った。
関東の渇水のニュースがチラッと聞こえた事や、少しボーッとしたい気分だったからだった。
真っ先に思い付くのは狭山湖だが、コチラは二輪車の通行規制箇所があるので却下。以前行った鎌北湖だと、そのまま林道ツーリングになってしまうのでマップと睨めっこで他を探した。
以前のツーリングで看板を見た事のあった名栗湖なら、そのまま秩父に抜けられるし、秩父さくら湖まで行ってみるのも良いだろうとバイクに跨った。
国道463号で入間市に入り、県道195号、193号、221号、53号を直走り名栗湖までノンストップで駆け抜けた。
名栗湖は有間ダムによって堰き止められた昭和後期に完成した人工湖で、観光釣り場やカヌー体験などが出来るそうだ。もっとも、両方とも興味がないので湖畔でトイレ休憩兼ねて一休みする。
見た限り水は心配するほどではなさそうだが、少なそうではあった。こうも連日猛暑日が続けば干上がってしまっても不思議はない。
さて、ルート検索をして、次の目的地に移動しよう。
県道53号を進めば正丸トンネルの先で国道299号に合流でき、道なりに進めば秩父市に入れる。
国道140号を左折して諏訪神社の先で県道73号に外れ、山を登って行けば浦山ダムが見えてくる。このダムで堰き止められているのが秩父さくら湖だ。湖畔でコーヒータイムを挟み、今回は国道299号で帰ることにした。
このルートだと正丸トンネルは下りとなる。速度超過の車が多いと聞いてはいたが、最悪な車に遭遇することにこの時は気付きようもなかった。
道の駅あしがくぼを過ぎた辺りで、車を4台挟んでパトカーに追いつく。そこからは制限速度以下での走行となった。後ろに張り付いたスバルのSUVは、パトカーを確認したせいか車間を開けて大人しく着いてくる。パトカーは正丸トンネルの入り口付近で起きた事故処理に来たようで右にそれ、トンネルに入った車はここぞとばかりに速度超過で走って行く。逃げ道のないトンネル内何で頑張ってスロットルを開けるが、流石に+20km/hはタイヤが厳しい。排水用に細かく縦溝があるせいで、タイヤのグリップが心許ないのだ。それなのに後ろのSUVは車間を詰めてくる。ミラーはライトの光だけが映り込み、トンネルを抜けるまで数回にわたって異常接近される恐怖を味わった。
トンネルを抜けて右カーブの所に待避所が有ったので避難し、追い立ててきたSUVを先に行かす。残念んなことにNo.は見えなかった。
さて、ドラレコの映像を送ると煽り運転の調査をしてくれる県警もあるそうだが、埼玉県警は行っていない。管轄の警察署に相談したところ、「その場で電話いただければ対応のしようもあるのですが」とのこと。
インカムを持たないソロライダーの私は、停車し、ヘルメットを脱ぎ、電話を取り出して通報するしかない。煽られている時に電話する環境が整っていないのだ仕方がないのでシエルのソロメイトを購入した。通報等の緊急通話用と割り切るなら、出来る限り安いもので済ませた買ったのだ。もっとも、この先使う機会が無いのが一番良いと思っている。