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初バイク通勤

初めてのバイクによる出勤は、思いのほか快適だった。

前日の寝つきが良かったせいか30分ほど早く目が覚め、食事や身支度も早く終わったのでバイクでの出勤に切り替えた。

いつも通りにボトル2本に水は用意してしまったので、車通勤でも使用している2WAYトートバッグをリュックモードで使用する。荷を背負ってのバイク乗車も初めての経験だ。片道50km弱あるので疲れが心配だが、事務職なのでなんとかなるだろうと気楽に考えた末の判断だ。

不要な折りたたみ傘などを取り出し、タオルを追加して準備は完了。プロテクター類を身に着けてヘルメットを被り、バッグを背をって家を出る。バイクカバーと輪止めを外し、2個のロックを外してバイクを駐車場から押し出す。朝早いので暖機運転はせず、直ぐに跨って低速で走り始めた。

背負ったバッグが少し気になるものの、肩ひもをいっぱいまで伸ばしたおかげで、荷重はシートに掛かって疲れは最小限で済みそうだ。


私道から市道、県道を経由して国道254号をひたすら真直ぐに進む。朝の6時台は車の量もそれ程多いとは言えず、左の車線を50km/hほどで流れに乗って進む。右車線はそれ以上のスピードで車間を詰めた車が多いので、安全重視で左車線から出ないようにした。国道16号と交差する陸橋も思いのほかスムーズに超えて進めば、圏央道の川島インターチェンジ辺りから流れが速くなって制限速度での走行となる。前車との車間が開くが、信号で追いつくので後ろの車も無理な追い越しはしないでくれている。また、この辺りから田んぼが増えるので空気がひんやりとして気持ちが良い。30℃超えとは思えない程だ。

1時間半で着く予定が1時間45分になったのは、まぁ誤差の範囲だろう。疲れも無いので仕事に支障はないはずだ。ただ、朝食を食べたはずなのにすでに空腹感があるのは、バランスを取る行為で体力を使ったからだろうか。


キッチリ8時間の労働を終えて帰路に就く。

外気温36℃はヘルメットを被るだけでも汗が出てくるが、走り始めれば木々に冷やされた空気を受けるので、汗も引いて気持ちが良い。もっとも高速道路が自然渋滞しているせいか、東松山インター付近は降りてくる車も多く渋滞していて遅々として進まない。進みはしないがリスクを負って迄すり抜けようとも思わないので、車と一緒にトロトロと進んでゆく。そういった場面ではクラッチの無いスクーターは楽だと思える。

渋滞が引けたのは国道407号との交差を過ぎたあたりからだった。日もかなり傾き、時折サイドミラーに太陽が映り込むので後方確認にも慎重さが増す。車線変更をする気は無いが、とっさの判断を迫られる場合もあるので、常に後方の状況は把握しておきたいのだ。

川島辺りまではの田んぼが広がり風が気持ちよいが、それも落合橋を超えるまでだった。橋を渡れば樹木や田畑がほとんど見えない。それ故に熱せられたアスファルトが恨めしく感じる程に汗が滴る。信号待ちでは車からの排熱も加わるのでさらに過酷だ。これに日差しが加わっていたら挫折していたかもしれない。

ここまで来る頃には日は沈み、店の明かりが眩しく感じる。それでもそれが有りがたい事なのだと後々感じることになる。

国道16号との交差を超えて、再び田んぼが見えるあたりになると一気に道が暗くなる。街路灯がほとんどないのだ。DIO110はハロゲン球なのもあってか『球切れでもしているのか?』と疑いたくなるほどに暗い。もう、車のライト頼りで進まないと道の凹凸が全くと言ってよいほどに見えなのだ。

パリダカに出た従兄の言葉が思い出される。

『バイクのライトなんて、砂漠では自分の位置を知らしめる以外の役には立たない。車の前に割り込んで、彼らのライトで照らされた場所を走るしか、日の落ちた後の移動なんて出来ないんだよ」

流石に道の真ん中に立木が現れることは無いだろうが、落下物でも踏もうものなら即転倒だろうことは疑いようもない。ライトをどうにかしないかぎり、通勤ルートを大きく変えなくてはならないだろう。

帰路は2時間10分と時間はかかったものの、予定範囲内での無事な帰宅に安堵した。


さて、日の入りは6月下旬をピークに徐々に早くなってゆくそうだ。10月に入れば、退社時間には日が沈んでいる事もあるだろう。早急にライトのLED化か増設を検討しなければならなそうだ。

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