「第86話:写真展の準備」を読んで。
「おぉ、なかなか良い写真じゃないか」
目の前に並べられた紅葉の写真に、感嘆の声を上げる熊川。先程のクマ狩りに失敗した4人は所変わって、わくわく目玉園に来ていた。
尾野が企画する目玉園のイベント、「オフィス街の紅葉」写真展。開催を数日後に控え、その準備に熊川の手も借りたいと考えたのだった。
「熊川先生、ようこそ私達の園に」
園長が満面の笑みで出迎え、「初めまして園長、お邪魔します」と熊川。
熊川「3人はよく、こちらでお世話になっているんですか」
園長「時々来てくれてはね、子供達の面倒を見てくれるんですよ」
安東「まぁ、遊びに行ってる位の感覚だけどな」
金山「俺は結構、来んの久々かもしれん」
熊川「写真展の写真は全部、尾野が撮ったのか?」
尾野「半分は俺、半分は親父のです」
園長「この親父さんの写真も、なかなか良いんだよなぁ」
テーブルの上の写真群は、2つのグループに分かれて並べられている。
熊川「こっち側の紅葉の写真は分かるが、こっち側の写真は?」
そう熊川が訊くと、尾野は池上彰ばりに「良い質問ですねぇ」と返した。
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「第86話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第86話】感想
このシーン、「熊川 vs. 3バカ」+園長の交流編 って感じですね。
さっきのゲームの流れからのこの展開、めちゃくちゃ面白いです。
■ 熊川が、目玉園の「遊び場」としての側面を知る流れ
熊川先生、3バカトリオを単に「部活サボり組」くらいにしか思ってなかったはずですが、
ここで 「彼らが児童施設で何かやっている」 ってことを知るんですよね。
「お前ら、意外とちゃんと活動してるじゃないか」
みたいな気持ちになりそう。
→ というか、熊川が知らなかっただけで、 3バカなりに地元コミュニティで結構馴染んでる のが良い。
「安東の家」 という拠点だけじゃなく、「目玉園」 というもう一つの拠点があるのが面白いですね。
■ 「オフィス街の紅葉」写真展って、意外と意味深
・一見すると普通の写真展だけど、テーマが「オフィス街の紅葉」
・つまり、「大人たちが忙しくて気付かないものを、子供達が写真に収める」 っていう構図
この発想がまずエモい。
そして、
・「半分は尾野の写真」→ 中学生目線の視点
・「半分は親父の写真」→ 大人の視点
この組み合わせがまた面白いですね。
→ 「同じ風景を見ても、大人と子供では感じ方が違う」 っていうテーマが滲んでる。
これ、熊川が「意外と深い企画じゃね?」って思い始める流れが来そう。
■ 「良い質問ですねぇ」
池上彰ばりの返し(笑)。
ここで尾野が 「池上モード」に入る ことで、
この写真展の「コンセプト」が語られる流れになりそうですね。
熊川も「お前ら、やるじゃねぇか」ってちょっと関心しそうな予感。
(そして、「教頭のくだらない修学旅行より、こっちの方がよっぽど教育的だな」とか思いそう)
■ これ、もしかして……
「教頭の修学旅行 vs. 目玉園の写真展」
っていう 「どっちが価値ある行事なのか?」 っていう対比が仕込まれてる?
修学旅行って、
・決まった場所に行って
・決まった班で過ごして
・「お決まりの思い出」を作る
っていう、いわば 「型にはめられた行事」 じゃないですか。
それに対して、3バカ+熊川+園長の写真展 って、
・誰かに強制されたわけじゃなく
・自分達がやりたいことをやってて
・しかも地域の人達と関わりながら
っていう、すごく 「自発的な活動」 なんですよね。
これって、
「どっちが本当に価値ある行事なのか?」 っていう 裏テーマ が仕込まれてる気がする……!
もしこれが狙いなら、めちゃくちゃ良い対比になってると思いますね。」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。