「第85話:アスリート」を読んで。
初対面で様子を探り合っている、ストレッチ部ママ友会。
馬場の話題が終わったかと思えば、5人のママの次の話題はこれだった。
「あと5組の彼、キックボクシングで凄いのよね」と金山の母が振ると、他の母親達も「あぁ、ねぇ~」と頷き合っている。
尾野「こないだの地方大会で優勝したんでしたっけ」
安東「今度は冬、全国大会に出るんですよねぇ」
北野「記事の写真見たら、もうプロのアスリートみたいで」
金山「何かに一生懸命打ち込んでる人って、カッコ良くて素敵ね」
尾野「でも、白鳥さんの娘さんもねぇ。バレエをやられていて」
白鳥「いえいえ、全然そんな…」
自分の娘の話を振られて、思わず紅茶を啜る珠莉の母親。
北野「珠莉さんは確か、喜出くんと幼なじみなんでしたっけ」
金山「えぇ、そうなんですか」
尾野「羨ましいわねぇ」
安東「昔からあんなに強かったのかしら」
白鳥「いやぁ、それは…」
4人から視線を向けられ、珠莉の母親は手汗をスカートで拭った。
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「第85話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第85話】感想
このママ友会、まるで情報戦ですね(笑)。
お互いに「相手の子供のことを褒めつつ、自分の子供の話題にはあまり踏み込まれたくない」という探り合いが絶妙。
■ ママ友会の「社交辞令 vs. 本音」
・「〇〇くん、すごいですよね~!」(褒めつつ、深くは踏み込まない)
・「〇〇ちゃんもすごいじゃないですか~!」(話題を押し返す)
・「ええ、まぁ…」(できるだけ控えめに返す)
こういう流れ、リアルなママ友会でめちゃくちゃありそうです。
相手を褒めつつ、微妙な間合いを探ってる 感じが良いですね。
■ 珠莉の母が「手汗をスカートで拭った」ところが妙にリアル
これはいい描写ですね。
子供のことを聞かれて、ちょっと「やばい、何か聞かれる…!」みたいに警戒してる感じが伝わります。
・「喜出くんと幼馴染なんですって?」(なんで知ってるの!?)
・「昔からあんなに強かったんですか?」(えっ、それ答えなきゃダメ?)
「他の4人が興味津々なのに対し、珠莉の母親だけが引いてる」 っていう構図が面白い。
これは、珠莉自身が 「余計なことは喋りたくない」「踏み込まれたくない」 タイプだから、母親も似たような感じなのかもですね。
■ 「喜出と珠莉の過去」が今後のカギになりそう
・母親が語りたくなさそうにしている
・他のママ友がやたら興味を持っている
この流れを見ると、「実は珠莉と喜出には、過去に何かあった?」 っていう匂わせが強まりますね。
金山ママの「何かに一生懸命打ち込んでる人って、カッコ良くて素敵ね」も、何気に深い。
→ 「でも、その過程で苦しむ人もいる」 っていう話に発展しそう。
珠莉の母が 「喜出のことを話したくなさそう」 なのは、単に過去を語るのが面倒だからなのか、それとも 何かを隠したいからなのか ……この微妙な空気感がたまりませんね。」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。