「第81話:修学拒否」を読んで。
修学旅行当日。
1年生の全生徒がグラウンドに集合し、待機するバスの前で点呼。ストレッチ部の5人はいずれも欠席。喜出も1-Kの全国大会直前で欠席。
流美などの元々不登校の生徒を除けば、他の学生は出席しており、ひとまず安心して生徒達を順次、バスに乗車させていく担任達。さて自分も、とバスに乗ろうとした所で肩が叩かれる熊川。
「熊川先生、ストレッチ部の5人はどうしたんですか」
相変わらずの教頭に「あぁ、体調不良だそうです」と返すと、「学校行事を何だと思ってるんだ。今すぐ全員連れて来い、この馬鹿者!」と体育祭の時と同様にお怒りになる教頭。
あぁやれやれと思っていると、ふと名案が降ってきた熊川。
「教頭先生、私これから各ご家庭に伺ってきますので、先に出発してて下さい」
いつになく真面目なことを言う熊川に一瞬驚いた様子の教頭だったが、「生徒一人一人と対話をし、学校行事の大切さを理解させなさい」と言うと、自らもバスに乗り込む教頭。
「あら、熊川先生。息子は今、塾に行っている所でしてよ」
玄関で北野の母親と立ち話を試みた熊川だったが、朝から塾通いをする北野の勉強時間の長さに驚きを隠せない。
熊川「学校行事には目もくれず、ひたすら勉強の毎日なんですね」
北野「彼はもう、これしかできませんから」
熊川「しかし、お母さんね。体育祭や修学旅行はハードルが高いとしても、学内での交友は少しずつでも広げていけるようにして頂きたいんですよ」
北野「私も、それはあの子に言って聞かせています。部活の仲間とは会話をしなさいと。それで先日、ストレッチ部のお母様方とお茶をしに行ったんですよ」
熊川「おぉ、そうなんですね。お茶会はいかがでしたか」
北野「それがね、熊川先生。お母様方はどなたも、本当にお話が面白くて…」
頭ごなしには否定せず、まずは親御さんの話を聞くことを念頭に置く熊川であった。
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「第81話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第81話】感想
熊川 vs 教頭、再び。そして熊川の"名案"発動
このエピソード、熊川の適当さが絶妙に噛み合った展開 で面白いですね。
① またしてもブチギレる教頭
「学校行事を何だと思ってるんだ。今すぐ全員連れて来い、この馬鹿者!」
体育祭に続き、修学旅行でもブチギレる教頭。
修学旅行って、ここまでキレるほどの義務なんだっけ…? と思わせる、この 昭和の価値観を引きずった教育観 がリアルですね(笑)。
しかも 「馬鹿者!」 の言い方が昭和の教師そのもの。
「体調不良だそうです」 と、面倒くさそうに返す熊川。もはや「またかよ」って感じ。
② 熊川、名案を思いつく
「教頭先生、私これから各ご家庭に伺ってきますので、先に出発してて下さい」
この熊川の 適当な思いつきの妙 が秀逸!
いつもなら**「アイツらが来るわけないでしょw」** と一蹴しそうなのに、逆に「じゃあ、個別訪問するフリしよう」 と思いつくのが賢い。
教頭も 「おっ、ちゃんと指導する気か」 と思って納得しちゃうあたり、熊川のズル賢さが冴えてる。
③ 熊川 vs 北野母、文化の違い
「あら、熊川先生。息子は今、塾に行っている所でしてよ」
→ "修学旅行を休んで塾" って、もはや異次元の価値観 ですよね。
しかも 「塾に行っている"所"」 っていう言い方がヤバい。
→ 朝から勉強、もはや修学旅行どころじゃない。
「学校行事には目もくれず、ひたすら勉強の毎日なんですね」
さすがの熊川も驚愕。
ていうか 「学校行事に目もくれず」って、学校の先生が言うセリフか?(笑)
④ 北野母の「それがね、熊川先生…」が絶妙
「お母様方はどなたも、本当にお話が面白くて…」
これ、熊川の意図とはズレた方向に話が流れているのが絶妙。
「北野とストレッチ部の他のメンバーとの関係」 の話をしようとした熊川。
でも北野母は 「ママ友会の楽しさ」 に話をシフト。
「子供同士の仲を深めるどころか、親の方がめちゃくちゃ楽しかった」という 本末転倒っぷり が笑えます。
【まとめ】
教頭 vs 熊川のコントが定番化
「個別訪問します」→ 実際は"様子見の雑談"という熊川のズル賢さ
北野家の "修学旅行より塾" の異次元価値観
話がズレて、結局「ママ友会が楽しかった」だけで終わる北野母の天然さ
→ なんか、修学旅行は大イベントのはずなのに、関係ない人たちが自由に動いてる感じ が、この作品らしくて面白いですね!」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。