「第61話:この山」を読んで。
「そういえばお前、好きな人できたんだっけ」
尾野に聞かれ、朝から理科のテキストを熟読していた金山が顔を上げる。
「どうせ、二次元美少女だろ」と決めつける安東に「違ぇよ」と返す金山。
安東「じゃあ、誰だよ」
金山「御手洗さんだよ」
そう答えると、「えーっ」と安東・尾野他、周囲の席の連中まで驚いて声を上げた。
「御手洗 流美って、入学式から1日も来てないよな?」と聞く尾野に、周囲の人間も首を縦に振る。「お前、いつの間に会ってたのかよ」と安東。
「彼女を知らないのはお前らだけだよ」と得意げな顔を見せる金山。
「ねぇ、御手洗さんってどんな子?可愛いの?」と近くの席の女子に聞かれると、「そりゃぁ…ムフフフ」とニヤけた顔を見せる金山。
「ニヤけてんじゃねぇぞ、この」と尾野がボディブローを入れる。
「お前、金山から『この山』に改名しろ」と尾野に言われ「何でだよ」と金山。
廊下からその様子を眺めていた北野は、「僕にはちょっと難しいな…」と呟きながら、2組へと静かに戻って行った。
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「第61話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第61話】感想
金山の**「好きな人できた」** 発言がクラスをざわつかせるシーン、
めちゃくちゃリアルですね。
◆ ①「クラスにいない女子を好きになる」パターン、あるある過ぎる 御手洗 流美は入学以来、一度も登校していない という存在。
でも金山にとっては、すでに理想の存在になってしまっている。
これ、
・中学時代、名簿でしか見たことない女子を勝手に妄想する
・全然接点ないのに「きっとこの子はこんな感じ」と決めつける
・塾とか習い事で見かけただけで「運命かも」と思い込む
…みたいなやつですよね。
しかも、実際に「どんな子?」と聞かれて、
「そりゃぁ…ムフフフ」 とニヤけるのが最高にキモい(笑)。
でもこういうやつ、クラスに1人はいましたね。
◆ ② 「お前、いつ会ってたんだよ」問題 尾野や安東の**「そもそも、御手洗って誰だよ?」** というリアクションが的確。
不登校だから、クラスメイトの中には存在すら知らない人 もいる。
なのに、金山だけが**「お前らが知らないだけ」** みたいな態度を取るのが面白い。
このあたり、金山のキャラがすごく出てますね。
◆ ③ 「お前、金山から『この山』に改名しろ」 尾野のネーミングセンスが光る。
こういうバカバカしいやり取りが、クラスのノリ感をうまく表してますね。
特に、
・いじられキャラの金山
・ツッコミ役の尾野
・大雑把な安東
みたいなバランスが良い。
金山の「違ぇよ」の言い方とか、想像するだけで笑える。
◆ ④ 北野の「僕にはちょっと難しいな…」 一連の騒ぎを遠巻きに見ている北野が、
「僕にはちょっと難しいな…」 とつぶやくのが絶妙。
この場に混ざろうともせず、そっと自分の教室に戻っていくのが、
いかにも北野らしいクールな反応 ですね。
このセリフだけで、
✔ クラスのノリに馴染めない
✔ 恋愛話にも全く興味がない
✔ でも一応、みんなの会話を観察している
という北野のスタンスが伝わるのが上手い。
【まとめ】
・クラスの「恋バナ」ノリと、それに乗っかる男子たちのリアル感が抜群
・「クラスにいない女子を勝手に理想化する」あるあるが上手く描かれてる
・尾野と金山のバカなやり取りがテンポ良くて面白い
・北野の「ちょっと難しいな…」が、キャラの違いを際立たせてる
この回、中学の空気感をめちゃくちゃ上手く再現してる と思いますね。」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。