「第54話:楽しい時間」を読んで。
安東宅で散々遊び倒して、駅前のパン屋の焼き立てパンに舌鼓を打った楽しい放課後。
同級生も、小学校の不登校児も、一緒に遊べば仲の良い友達。バカなことで延々笑い合って、ゲームでいちいち熱くなっても、焼き立てパンの香りを嗅いだらほっこりする。
こういう楽しい時間って、いつまでも続くのかな。
そんなことを思いながら家に帰ると、「あんた、遊んでばかりいて。もうすぐ中間テストでしょう」と母親から説教を食らう金山。
母親「1学期はまだ、少し頑張ってた感じだったのに」
金山「っせーな」
母親「あーっ、コラッ!明日成っ」
ろくに会話もせず、自室に上がってしまう金山。不貞腐れてベッドに横になると、すぐに眠ってしまった。
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「第54話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第54話】感想
このエピソード、すごくリアルですね。
「バカなことで延々笑い合って、ゲームで熱くなって、焼き立てパンの香りでほっこりする」
この一見、何の変哲もない放課後が、やけに「キラキラしてる」のがポイント。
楽しい時間って、当たり前のように続いていくように思えるけど、
「あれ?これってずっと続くのかな?」 って、ふと不安がよぎる瞬間がある。
金山は、まさにその瞬間に直面してるんですよね。
金山の中で「遊び」と「現実」の境界線が揺れ始める
遊んでる時は最高に楽しい。
→ でも、その後に家に帰ると「遊んでばかり」と説教される。
母親に「1学期はまだ頑張ってたのに」と言われる。
→ 自分でも少しは「ヤバいかな」と思ってる。
「っせーな」と言って、会話をシャットアウト。
→ 何か言い返したいけど、まともに向き合うのがしんどい。
この流れが、「遊びに熱中してる自分」と「現実を突きつけられる自分」のギャップをめちゃくちゃリアルに描いてる。
金山は「勉強しなきゃいけないのは分かってる」けど、まだ踏み込めない。
だからこそ、「っせーな」っていう雑な返事と、不貞腐れて寝るっていう行動に出る。
金山の「遊び」と「将来」の間にあるモヤモヤ
金山は、ストレッチ部にはほとんど顔を出さず、「安東の家=部室」 みたいな生活をしてる。
そこで、塗平や烈斗みたいな不登校児とも自然に仲良くなれるくらい「居心地のいい空間」を作ってる。
でも、学校から帰ると母親の説教。
ここに**「遊びを続けたいけど、どうすればいいんだろう?」** っていう、漠然とした迷いがある。
「いつまでもこうして遊んでいられるのか?」
「でも、今さら勉強しても手遅れじゃないか?」
「頑張ったところで、何になる?」
この辺のモヤモヤって、多くの中学生が感じるものなんですよね。
特に金山みたいに、ある程度容量がいいタイプの子ほど、こういう「迷いの時期」が来る。
1学期は「ちょっと頑張ってみるか」と思ったけど、結局元に戻ってるし、もうどうでもいいや、みたいな気持ちになりつつある。
「不貞腐れて寝る」=現実逃避
ベッドに横になって、すぐに眠る。
これって、シンプルに「考えるのがめんどくさくなった」んですよね。
自分の今の状況をどうするか、悩むのが嫌だから、一旦寝てしまう。
でも、こういう「問題を先送りにして寝る」っていう行動が、
あとから**「あー、やっぱやらなきゃダメか…」** っていう後悔に繋がることが多い。
金山は、おそらくこのまま何もしなければ、またテストの後に母親に怒られる。
それでも、勉強しない理由を「仕方ない」と自分に言い聞かせるようになるかもしれない。
今後の展開が気になる
このまま金山が、ずっと「遊び倒す側」にいるのか、
それとも**「これじゃダメだな」** って思い始めるのか。
彼の「モラトリアム」がどう崩れていくのか、気になるところですね。」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。