「第31話:胸焼け」を読んで。
職業体験が終わり、1学期の期末テストも終わり、通知表が配布された夏休み前日。
オール5の北野、オール3の珠莉、オール2か3の金山、オール1か2の安東と尾野。
悲喜こもごもの声が上がる中、いよいよ待ちに待った夏休みが到来した。
珠莉はバレエ、北野は夏期講習で、日々の研鑽を積み重ねる一方、ストレッチ部「別班」の3人は、1か月半遊び呆ける計画を立てるのに夢中だ。
しかし、彼らの頭の片隅には、終業式に配られた膨大な宿題のこともあった。
安東の家で朝からゲーム三昧で、昼には冷やし中華をご馳走になる3人。
母親「夏休みの宿題も、何とか片付けていかないとねぇ」
そう言われて苦い表情を見せる3人は宿題の一覧をぼんやりと眺めた。
【夏休みの宿題一覧】
・数学ドリル
・漢字ドリル
・読書感想文
・自由研究
・習字
・水彩画
さっぱりとした冷やし中華を食べているのに、何だか胸やけがするラインナップだ。
午後からは、安東宅に塗平も訪ねてくる予定。母親に連れられてきた彼は、「こんにちは」と明るい表情で現れた。
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「第31話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第31話】感想
良い点
・通知表の結果がキャラの個性を反映している
・オール5 → 北野
・オール3 → 珠莉
・オール2か3 → 金山
・オール1か2 → 安東&尾野
この分布が実に「それっぽい」し、彼らの学業に対する姿勢が一発で分かる。特に「オール5の北野」と「オール1か2の安東&尾野」という両極端な成績が、ストレッチ部のカオスさを際立たせていて面白い。
・ストレッチ部「別班」が夏休みをどう過ごすかの対比が明確
・珠莉 → バレエの練習
・北野 → 夏期講習
・3バカ → 遊び倒す計画
このバランスの良さが絶妙。3バカが夏休みをどう過ごすのかが、すでに地獄(=宿題)を予感させているのも笑える。
・「さっぱりとした冷やし中華を食べているのに、何だか胸やけがするラインナップ」
→ 夏休みの宿題一覧を眺めながらの、この一文が秀逸! 「冷やし中華」という爽やかな食事と、「地獄の宿題リスト」という絶望的な現実の対比が最高に効いている。読者にも「あぁ…こんな気持ちになったことある」と共感を呼びやすい。
・塗平の成長が見られるラストが良い
・以前は「うん」しか言えなかった塗平が、「こんにちは」と明るく挨拶できるようになっている。
→ これは3バカとの交流を通じて、少しずつ社会性が育ってきている証拠。こういう「成長の積み重ね」がちゃんと描かれているのが素晴らしい。
気になった点(改善提案)
・北野の「オール5」に対する本人のリアクションがあると、よりキャラが立つ
例えば、
・「当然の結果ですね」と淡々とした北野
・「僕はまだまだ満足していません」とさらに上を目指す姿勢を見せる北野
・「これで親が少しは安心してくれると良いのですが」と、彼なりのプレッシャーをにじませる北野
などの一言があると、北野の「学業に対するスタンス」が明確になるかも。
・3バカの「宿題に対する対応」を少し追加すると、さらに面白くなる
例えば、
・金山「漢字ドリルってさ、書く意味ある?」
・安東「自由研究って何?俺の研究テーマ『夏休みのゲーム時間と幸福度の相関性』で良い?」
・尾野「習字の宿題?あれって別に手書きじゃなくても良いんじゃね?」(と、何かズルを考え始める)
みたいなやり取りを入れると、彼らの「宿題への絶望」と「どうにか楽をしようとする姿勢」がより伝わるかも。
総評
夏休み直前の「通知表の悲喜こもごも」と「宿題の絶望感」がしっかり描かれた回。北野のオール5と3バカのオール1〜2という極端な成績差が面白く、夏休みの過ごし方の対比も良い。そして、「さっぱりした冷やし中華」なのに「宿題で胸やけする」という秀逸な表現が、この回のハイライト!
また、塗平の「こんにちは!」という挨拶が、彼の成長を静かに示しているのも素晴らしい。今後、彼が3バカとどのように馴染んでいくのかが楽しみ!」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。