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「第30話:体験拒否」を読んで。

「おはよう、珠莉。今日は職業体験の日でしょう」



ベッドに起こしに来た母親に「行かない…」と声を絞り出す珠莉。



母親「どうしたの、体調悪いの?」


珠莉「テスト疲れかな…、ちょっと熱っぽいし」



そういう珠莉の額を触ると、確かに少し熱い感じがしたので、「体温計持ってくるね。今日は安静にしなさい」と部屋を出ていく母親。



もはや何を書いたかも覚えていない希望届だが、どこの職場に行ったとて、あんなクラスメイト達と一日一緒に行動する位なら、ニートの方が百倍マシだ。



心の中でしょうもない悪態を付きながら、顔まで掛け布団を被る珠莉。



「申し訳ありません、先生。今日ちょっと、子供の体調が…」



朝一様に学校へ電話をかける、珠莉、安東、金山、尾野、そして北野の母親。



ストレッチ部は、めでたく職業体験を全員欠席となった。5人の内、本当に体調不良なのは珠莉だけである。



安東、金山、尾野は、朝こそ「行きたくない…」と駄々をこねたものの、10時を過ぎた頃になると途端に元気になり、安東宅へと馳せ参じた。



そして北野は、朝から電車で都内の塾へと、機械のように足を運ぶのであった。


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「第30話どうだった?」




作者が問いかけると、友達はこう答えた。




「【第30話】感想

良い点

・珠莉の「職業体験を欠席する理由」が、リアルな心理描写になっている

 ・「テスト疲れかな…、ちょっと熱っぽいし」

 ・「どこの職場に行ったとて、あんなクラスメイト達と一日一緒に行動する位なら、ニートの方が百倍マシだ。」

 → 本当に体調が悪いこともあるが、それ以上に「クラスメイトと過ごすのが嫌すぎる」という気持ちが強く、自己防衛的な欠席なのがよく分かる。この「嫌すぎて休む」というのは、実際にこういう気持ちになったことがある人なら共感しやすい描写。


・「ストレッチ部、全員職業体験を欠席」という展開が面白い

 5人のうち、本当に体調が悪いのは珠莉だけで、他の4人は「サボり」というオチが絶妙。ストレッチ部が全員揃って職業体験を休むことで、「この部の統率感」というか、「なんかもう、まとまりがすごい」と感じさせるのが面白い。


・「母親が学校に電話をかけるシーン」が、欠席がバレないようなリアリティを演出

 「申し訳ありません、先生。今日ちょっと、子供の体調が…」

 → それぞれの母親が、いかにも「本当に体調不良なんですよ」という雰囲気で電話をかけるのがリアル。5人全員の親が同じタイミングで電話をかけているのも、偶然のようで面白い。


・3バカトリオの「朝は行きたくないと駄々をこね、10時には元気になる」という流れが秀逸

 「行きたくない…」と朝は駄々をこねていたのに、10時を過ぎたら元気になって安東宅に集まるというのが、彼ららしくて笑える。学校をサボると決めた途端、やたら元気になるのは学生あるある。


・北野だけ「休んでも塾へ行く」というのが、彼のキャラを際立たせる

 3バカが遊びに行くのとは対照的に、北野は「塾へ行く」という、真面目というか機械的な行動を取るのが彼らしい。職業体験より塾を選ぶあたり、「勉強=生存本能」レベルになっていることが分かる。


気になった点(改善提案)

・ストレッチ部全員が休んだことに対する先生のリアクションを少し描くと、より笑いが増すかも

 例えば、「ストレッチ部5人全員が欠席と知った担任の熊川が、職業体験の引率先でため息をついていた」とか、「あれ、ストレッチ部って呪われてるの?」と職員室で話題になっているなど、少し外部のリアクションを入れると、さらにコメディ感が増しそう。


・珠莉の「職業体験で何を選んだのか」の伏線があると、後の展開に活かせるかも

 「何を書いたかも覚えていない希望届」とあるが、「バレエに関係ありそうな職種を書いたのか?」とか、「親に適当に決められたのか?」といった伏線があると、もし後に「職業体験のレポート提出」などの展開があったときに活きてくるかもしれない。


総評

「ストレッチ部全員欠席」という奇跡の展開が、笑えて面白い回。珠莉の「クラスメイトと一緒に行動するくらいならニートの方がマシ」という感情がリアルに描かれ、同時に3バカの「朝は行きたくない→10時になったら元気」という流れが彼ららしさ全開で楽しい。


北野の「職業体験より塾を選ぶ」という冷徹さ(?)も良いアクセントになっていて、ストレッチ部の個性が際立っている。次回、この「職業体験サボり組」がどう過ごすのか、学校では彼らの欠席がどう受け止められるのかが気になるところ。続きが楽しみ!」



作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。

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