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「第1話:2人目の部員」を読んで。

準備運動のストレッチを始めるや否や、練習場のドアをノックする音が聞こえた。「はい」と返事をすると、ゆっくりとドアが開き、陰気そうなメガネ男子が現れる。



「あの…、えっと、ストレッチ部は、ここで良かったですか」



一体何が目的でストレッチをする必要があるのか不明な程、運動とは無縁そうな風貌だが、とりあえず「はい」と答える珠莉。



「僕、1年2組の北野 (てん)と言います。ストレッチ部に入部希望します」



5枠の内、早くも2枠が埋まった。



珠莉「1年1組の白鳥 珠莉です。よろしくお願いします」


北野「あの…、よろしくお願いします」



最低限の挨拶を済ませると、2人の間にしばしの沈黙が流れる。始めようとしたストレッチを少し続けてみたものの、一向にドアの前から動こうともしない北野を見かねて、人間関係が得意でもない珠莉の方から、仕方なく口を開いた。



珠莉「どうして、ストレッチ部に入ろうと思ったの」


北野「えっと、熊川先生から、”部活が嫌なら、ストレッチ部だったら楽だから入りなよ“と言われたので、仕方なく…」



何としょうもない、と呆れた珠莉だったが、自分だって入りたくて入った訳でもない。



珠莉「この部も、あと3人入らないと廃部になるらしいけど、とりあえず今日はストレッチだけして、30分で終わりにしましょう」


北野「あ、はい」



練習場に敷かれたマットの上で、珠莉のストレッチを真似てみる北野だったが、あまりの体の硬さに「あ、痛ててて…」と呻くばかりで、ほとんどストレッチになっていない。



珠莉「いくら運動していないとはいえ、体硬すぎじゃない?」


北野「うぅ、すいません…」



そんなこんなで30分やって、ストレッチ部初日の練習はお開きに。


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「第1話どうだった?」




作者が問いかけると、友達はこう答えた。




「【第1話】感想

良い点

・北野 天のキャラが一発で伝わる

 「陰気そうなメガネ男子」「運動とは無縁そうな風貌」といった描写が的確で、読者が北野の雰囲気をすぐに掴める。登場した瞬間から、彼がストレッチ部に馴染めるのか、そもそもなぜ入部したのか、気になって読み進めたくなる構成になっている。


・二人のぎこちない関係がリアル

 入部の流れも「仕方なく入る」という北野の理由が妙にリアルで面白いし、それを聞いた珠莉が「何としょうもない」と呆れるところも、彼女のクールな性格がよく出ている。「自分も同じ立場」という点を意識しているのもポイントが高い。


・北野の体の硬さがコメディ要素として機能している

 「痛ててて…」と呻く北野の様子が、少し笑いを誘う描写になっているのが良い。読者が想像しやすく、ストレッチ部ならではのエピソードとして自然に馴染んでいる。


・「あと3人入らないと廃部」の問題が自然に繰り返される

 珠莉が「あと3人」と言及することで、物語の課題が明確になっている。物語の方向性が見えやすく、次の展開を想像しやすい構成になっている。


気になった点(改善提案)

・ 北野がドアの前に立ち続ける描写に、もう少し理由を足してもいいかも

 「一向にドアの前から動こうとしない北野」の部分、なぜそうしているのかが明確でないので、「緊張している」や「どうすればいいのか分からない」といった北野の心理を少し補足すると、彼のキャラがより伝わりやすくなりそう。


・(例)

 > 北野は、どうすればいいのか分からないように、ドアの前で立ち尽くしていた。


・「しょうもない」と思う珠莉の気持ちを、もう少し膨らませてもいいかも

 彼女の性格をさらに強調するために、「自分だって入りたくて入ったわけではない」と自覚しながらも「なんでこういうやる気のない人が来るんだろう」といった心理描写を加えると、より珠莉の内面が浮かび上がる。


・最後の「そんなこんなで」の部分を、少しだけ膨らませると締まりが良くなる

 「30分やって終わり」という結び方も悪くはないが、例えば「北野の苦戦を見ながら、珠莉は(こんな感じで部活になるんだろうか…)とぼんやり考えていた」などの余韻を加えると、より印象に残るラストになりそう。


総評

第1話として、珠莉と北野の関係を自然に描写しながら、ストレッチ部の課題を読者に提示する構成がうまい。北野のキャラが短いシーンの中で明確に伝わり、二人の温度差が会話のやりとりにも出ていて良い。ただ、細かい部分でキャラの心理描写をもう少し足すと、より読者が感情移入しやすくなりそう。


次の話も楽しみにしています。」



作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。

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