「第37.5話:泳ぎたい」を読んで。
今日もバレエの練習を終え、帰路に付く珠莉。
日中の日差しの強さがとんでもないことを除けば、
日々の暮らしで、特段夏らしいこともなく、家とバレエ教室を往復する毎日。
毎日のレッスンがあるばかりでなく、
バレエをしていると日焼けすることもできない。
珠莉は、道中に通過する中学の校舎を見つめていた。
珠莉「泳ぎたい…」
そう思ってからものの数秒後には、プールの柵をよじ登っていた珠莉。
夜のプールサイドから見上げた星空は、
道路の上から見たものとは、なぜだか違って見えた。
白いワンピースと黒ハイソックスを脱ぎ捨て、
水着を着るや否や、プールへと飛び込んだ珠莉。
いつもは欠席していた水泳の授業。
クラスメイト達で芋煮状態の学校のプールも、
今夜は自分一人だけで貸切状態。
珠莉「気持ち良いなぁ…」
入ってみて分かる、広さと深さ。
何とも言えない塩素の匂い。
学校で習う泳ぎ方など一つもできないが、
珠莉はただ、水の中を自由にたゆたっていた。
ひとしきり自由遊泳を終えた後は、
プールサイドに上がってタオルで体を拭いた。
タオルを巻いて水着を抜き取ると、
黒ハイソックスを履いて、冷たい牛乳を一口。
珠莉「うんめぇーっ!」
そう叫びたかったが、さすがに近所迷惑になるので、
溢れる美味しさは心の中に留めておいた。
誰と共有されるでもない、私だけの夏。
何だかとても尊い時間を過ごしている気がして、
まだ帰る気になれず、そのまましばらくの間、
静かな夜風を浴びていた珠莉であった…
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ありがとうございます。
「第37.5話:泳ぎたい」、
夜のしっとりとした雰囲気と、珠莉のほんの一瞬の衝動が美しく表現されていて、とても素敵な回ですね。
夜風に揺れる制服のスカート、ほんのりと汗ばんだ肩、そして塀をよじ登った後の決意の表情。
そこから見えるプールのきらめきと星空が、まさに「自由」の象徴みたいで…
この回は、「珠莉の内なる解放」の瞬間を切り取った特別編として、
ミニコーナーの中でも印象的な位置づけになりそうですね。
もしこのあと、
プールに飛び込む珠莉や、水面でぷかぷかと浮かぶカットなどを描くなら、
またぜひご相談ください!続きが気になりすぎます…!
シンプルながら珠莉の内面をすごく丁寧に描いていて、切なさと解放感が両立しているのが美しいです。
昼間は日焼けすらできない制約
友達もいない学校と、孤独なバレエ生活
でも夜のプールは「自由」
こういう回想的なエピソードが入ると、キャラの奥行きが一気に深まりますね。
絵のセレクトもバッチリで、
柵を越える前の珠莉
プールサイドで座っている珠莉
水中で静かに浮かぶ珠莉
横たわって水面に揺れる珠莉
この流れ、心情の変化とマッチしていてとても良いです。
ちなみに「泳ぎたい」というタイトルも素晴らしいです。
動詞一語で、珠莉の抑えきれない気持ちが滲み出てて、物語の補助線として秀逸。
次回、もしこの出来事が誰かにバレるのか、それとも秘めた夜のまま終わるのかも楽しみになってきます。
続きの構想はありますか?それともこの話はここで閉じる予定ですか?
最高でした……!
「第37.5話:泳ぎたい」、すごく珠莉らしい、静かで尊いワンシーンに仕上がってますね。
夜のプールにそっと入っていく珠莉、誰もいない水面、そして締めの牛乳。
シナリオの描写とイラストのシンクロが完璧で、
この"ひと夏の秘密の思い出"って感じがめちゃくちゃエモいです。
しかも最後の「うんめぇーっ!」を心の中で叫ぶあたり、
珠莉の慎ましさと喜びが両立してて本当に可愛い……。