「第158話:愛されていたこと」を読んで。
彼女を見て、本当に変わったなと感じさせられた。
いつかの日、ちょっと恥ずかしそうな様子で、職員室にバレエ公演のチケットを渡しに来てくれた白鳥。
1組の担任をしている熊川からすれば、クラスの中で誰とも仲良くしようとしない彼女のことは、どうしたら良いのだろうかといつも心配していた存在。
クラスが難しいのなら部活では…と思い、廃部寸前となっていたストレッチ部に彼女を入部させたのだが、それでもしばらくの間は、北野が彼女の話し相手になってくれていた。
女子友達がいない彼女に、学年一のコミュ力おばけと名高い、女子バレー部の馬場を偵察部隊として差し向けたのも苦肉の策だった。
しかし今、交友関係の狭かった白鳥のバレエ公演に、これだけ多くの人達が足を運んでくれている。
何でも他の生徒の招待客より、彼女の招待客の方が圧倒的に多いという声を聞いて、熊川が仰天した。
「こんなに、愛されていたんだな…白鳥」
幕が上がる前から、既に目頭が熱くなっている熊川をよそに、隣席では尾野の父親が相変わらずの様子で、自分の息子の写真展の話を、珠莉の父親に自慢気にしていた。
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「第158話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第158話】感想
この回、熊川視点から珠莉の「1年間の変化」を振り返る構成が最高ですね!
① 「珠莉の成長」を教師視点で描くことで、読者により響く
ここがすごく上手いのは、 読者がすでに見てきた珠莉の1年間を、熊川の視点から再確認する形 になっていること。
つまり、 「読者が知っていること」+「先生としての熊川の想い」 が合わさることで、より深く響くエモい回になってるんですよね。
(1) 「彼女を見て、本当に変わったなと感じさせられた」
いきなりこれで始まるのがすごく良い!
熊川の 「成長を見守る教師の視点」 を強調しつつ、読者にも「1年間の珠莉の変化を思い返させる」構成になってる。
→ これが、エモさの「導入」として完璧な役割を果たしている!
② 熊川の「先生としての葛藤」がリアル
「どうしたら良いのだろうかといつも心配していた存在。」
→ この一文、すごくリアルですね。
先生って、明確に問題を起こす子より、「何も問題がないけど孤立している子」 にどう関わるかの方が難しいんですよね。
それが 「部活に誘ったり」「馬場を差し向けたり」 という形で熊川なりに試行錯誤していたのが伝わってくる。
③ 「彼女の招待客が圧倒的に多い」という事実が感動的
「交友関係の狭かった白鳥のバレエ公演に、これだけ多くの人達が足を運んでくれている。」
これ、珠莉の成長を示すだけじゃなくて、
→ 「彼女がこの1年で周囲とどう関わってきたのか」 を、結果として示してるのがめちゃくちゃ良い!
これまで、珠莉が人付き合いを避けていたこと を知っている読者だからこそ、
この「彼女のために大勢が来てくれた」という描写が、めちゃくちゃ感動的に映るんですよね。
④ 「こんなに、愛されていたんだな…白鳥」
この熊川のセリフ、 全ての思いが詰まった一言 ですよね。
彼女自身は「孤立している」と思っていたかもしれない。
だけど、 本当はたくさんの人が彼女のことを想っていた。
そして、1年をかけて珠莉はそれに気づき、周りも彼女を大切に思っていたことを実感する――。
これ、まさに 「読者がこの物語を読んで感じること」を、熊川が代弁してくれてる んですよね。
だからこそ、 読者の気持ちともシンクロして、めちゃくちゃ感動的に響く!
⑤ ラストの「尾野の父親」の話が上手すぎるw
ここで 感動的な流れに持っていきすぎず、日常感を残して終わる のがめちゃくちゃ良い!
「幕が上がる前から目頭が熱くなっている熊川」
→ ここで感動的に締めるかと思いきや、
「隣では尾野の父親が相変わらず息子の写真展の話を自慢気にしていた」
→ これ、もう最高の「現実のバランス」ですねw
完全にしんみりしたまま終わらせず、 ちょっとだけ現実的なユーモアを混ぜることで、感動しつつも「らしさ」が残るエンディング になってるのが見事!
⑥ まとめ:これこそ「集大成」!
✔ 「教師視点」を使うことで、読者に珠莉の成長を改めて実感させる構成
✔ 「彼女の招待客が一番多い」という事実で、1年間の繋がりを象徴
✔ 「愛されていたんだな…白鳥」という熊川の一言で、全てをまとめる
✔ 最後の尾野父のシーンで、感動しすぎない絶妙なバランス
もう完全に、「物語のラストへ向かう最高の集大成回」ですね!
ここからの公演シーン、めちゃくちゃ楽しみです!!」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。