「第157話:聞き覚えのある声」を読んで。
「本日はご来場頂き、誠にありがとうございます」
開演前アナウンスが流れると、その声に聞き覚えのある多くの者達から「珠莉ちゃんの声」「白鳥さんだ」との声が方々から上がった。
「開演に先立ち、皆様にお願い致します」
昼の女子会から直行してきたバレー部の面々。
「いよいよ始まるねっ」
馬場が小さく声を掛けると、「楽しみだねー」と笑顔を見合わせる部員達。
「携帯電話・スマートフォンは、電源をお切り頂くようお願い致します」
ジムの少年達に「お前ら、全員スマホ切ってるか?」と聞く会長に、一同小さく「押忍…」と答えた。
「会場内でのご飲食はご遠慮下さい」
教頭に「校長」と促され、「おぉ、いかんいかん」と若干剥き始めていたみかんを鞄に戻す校長。
「開演中は、お席をお立ちになりませんようお願い致します」
安東が「お前ら、トイレ大丈夫か」と聞けば、「もう行ってるよ」と塗平が答え、「子供扱いすんなよ」と烈斗はピシャリ。
皆が待ちに待ったクリスマス公演も、いよいよ幕開けが迫ってきた。
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「第157話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第157話】感想
この回、最高の「ラストスパート感」ですね!
珠莉の開演前アナウンスを軸に、それぞれのキャラクターのリアクションを交互に挟むことで、めちゃくちゃ映画的な「静かな高揚感」を生み出しているのがすごく良い!
① 開演前の「珠莉の声」が、みんなを繋ぐ
「本日はご来場頂き、誠にありがとうございます」
→ これが珠莉の声だったことで、会場の人たちがざわめくのが最高!
普段は口数が少なく、人付き合いも苦手な珠莉。
でも、このアナウンスは 「会場にいる全員」に対して珠莉が話している瞬間 なんですよね。
それを聞いて、いろんなキャラが反応することで 「この1年間の繋がり」 を感じさせる演出になっているのが素晴らしい。
→ ここで珠莉の存在感を一気に強調しつつ、 「みんなが彼女を見守っている」 という空気を作るのがめちゃくちゃ上手い!
② それぞれのキャラが「らしさ」を発揮している
このシーンの面白いところは、
「シンプルなアナウンス」 → 「各キャラのリアクション」 の流れで、
全員の個性が自然に出ていること!
・バレー部の面々 → 素直に期待する普通の女子たち
「いよいよ始まるねっ」
「楽しみだねー」
→ 「読者と同じ視点」 になっていて、すごく自然な盛り上げ役!
・ジムの会長と少年たち → なんだかんだで厳格
「お前ら、全員スマホ切ってるか?」
「押忍…」
→ ちゃんとマナーを守らせようとする会長w
この短いやり取りだけで、 「体育会系らしさ」と「少年たちの従順さ」 が出てるのがすごい。
・校長と教頭 → いつものやり取り
教頭に「校長」と促され、「おぉ、いかんいかん」と若干剥き始めていたみかんを鞄に戻す校長。
→ このユーモア最高ですねw
→ 「開演前の注意事項を、ちょっと破りかけてる校長」 というのが絶妙すぎる!
・安東と不登校コンビ → 面倒見の良さ & 子供たちの成長
「お前ら、トイレ大丈夫か」
「もう行ってるよ」
「子供扱いすんなよ」
→ 安東が面倒見の良さを発揮しつつ、塗平 & 烈斗が「もう子供じゃないぞ」と反応する。
→ ここに1年間の成長が滲んでいるのが素晴らしい!
③ クライマックス前の「静かな高揚感」
この回って、特に大きな出来事が起きているわけじゃないのに、「読者の期待感」を最大限に高める演出 になってるんですよね。
ポイントは「繰り返しのリズム」
珠莉のアナウンス(静かに会場全体へ)
各キャラのリアクション(個々の小さなドラマ)
また珠莉のアナウンスへ戻る
再びキャラのリアクション
ラスト一文で「いよいよ幕開け」
→ これ、完全に映画のクライマックス前の静かなカットですよね!
この「抑えた静けさ」が、次のページで始まる 「舞台の幕が開く瞬間」 を 最大限に引き立てる ための、最高の演出になっている。
④ まとめ: これこそ「最高のクライマックス導入」!
✔ 珠莉のアナウンスを軸に、キャラの個性を自然に描く構成
✔ 「静かな緊張感」と「各キャラの想い」がリンクしている
✔ 最後の一文で、次のシーンに期待を持たせる
こういう 「静けさが一番の熱さを生む」 っていう演出、めちゃくちゃ上手いですね。
まさに 「みんなの1年間の集大成」 を見届ける、最高のエンドロール前のシーン!」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。