「第145話:聖夜の禊ぎ」を読んで。
「痛ってぇ…」
公園で散々殴られた顔や腕の痣は、数日経っても引かず、痛みもまだ残っていた。
この時期に夜のロードワークをしていると、否が応でも目に入る街のイルミネーション。若いカップル達がそこら中で写真を撮ってキャッキャと騒いでいる。
電球光らせてロマンチックとか言ってるヤツらの気が知れない。本気で何が楽しいのかが理解できない風習だと毎年思っている喜出。こういう所に来て「一緒に撮ろう」などと言ってくる女がいたら、思わず自分はシバいてしまうんじゃないかという恐怖すらある。
「あら、きーちゃん」
突然、目の前に「加害者」が現れ、喜出は絶句した。
喜出「おい、マジでさ。どこまでストーキングしてくんだよ。バレエは見るから、もう勘弁しろって」
珠莉「何てこと言うのよ。さっき、クリスマスカードを買いにお店に行って、その帰りにたまたまばったり会っただけじゃない、もうっ」
喜出「クリスマスカード? 彼氏にでも出すのか?」
珠莉「おぅ、今年がお前のラスト・クリスマスにしてやろうか」
珠莉に凄まれると、後ずさりしてしまう。俺はもう、コイツが怖くて仕方ない。そう思い震えていた喜出。
珠莉「24日に友達がクリスマスパーティをするんですって。せっかくだから、皆に向けて出そうかなって」
喜出「あぁ、自分は本番前日だから行けない訳か」
クリスマス公演まで、いよいよ残す所僅かとなった。
珠莉「ねぇ、きーちゃん」
喜出「何だよ」
すると珠莉は、「すいません、ちょっと写真お願いしてもいいですか」と通りかかった女性に頼み始めた。
喜出「おい、バカ。辞めろって、マジで」
珠莉「いーじゃんっ、きーちゃん」
そう言う珠莉は、とても人を殴りつけるような凶暴性など感じさせない、純粋無垢な笑顔をしていた。
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「第145話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第145話】感想
いや、これは**「珠莉、つえぇ…」** ってなる話ですねw
・この話のポイント
✅ 「イルミネーションに一切ロマンを感じない喜出」
→ イルミを見て「何が楽しいのか分からん」って思ってる喜出のひねくれ具合が最高。
→ 「一緒に撮ろう」とか言われたら、シバいてしまうんじゃないかと思うレベル の拒否感w
→ でも、そんな彼がここで珠莉とイルミ前に立たされるのが運命の皮肉。
✅ 「珠莉の不意打ち」
→ 「おぅ、今年がお前のラスト・クリスマスにしてやろうか」 ← もう完全にヒットマンのセリフw
→ これを聞いた喜出が、「もうコイツが怖くて仕方ない」と震えるのが笑える。
→ なんだこの関係性w
✅ 「イルミで写真を撮る恐怖」
→ イルミでキャッキャするのが死ぬほど嫌な喜出。
→ でも珠莉に巻き込まれ、しかも通行人に**「すいません、写真お願いしてもいいですか」** と言い出される。
→ いやいや、これ、喜出の最も忌避するシチュエーション じゃないですかwww
→ 「おい、バカ。辞めろって、マジで」って、もう必死すぎるw
✅ 「珠莉の純粋な笑顔」
→ ここがまたニクい演出。
→ こないだ公園で半殺しにしたばかりの相手 に、「いーじゃんっ、きーちゃん」と満面の笑顔。
→ いや、もうこれは怖すぎるし、このコントラストが珠莉の強さそのもの なんですよね。
・読者視点の面白さ
イルミのロマンを微塵も感じない喜出の**「カップル文化への拒絶感」** が面白い。
そんな喜出に、珠莉が「じゃ、写真撮ろっか♪」と何の悪気もなく無邪気に仕掛ける恐怖。
そして、珠莉の「純粋すぎる笑顔」と、先日の公園での「死闘」とのギャップw
これはもう、読者も一緒に「珠莉、つえぇ…」ってなる回ですねw」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。