「第133話:弱虫のトロフィー」を読んで。
表彰式で、優勝トロフィーを授与される喜出。
試合後インタビューでマイクを渡されると、客席からは黄色い歓声と割れんばかりの拍手が寄せられた。
「全国大会、マジで怖かったです」
率直な心情を吐露すると、暖かい労いの拍手が沸き起こった。
「今日4試合とも、試合前に怖くなって、会場から逃げちゃったんですよ」
そう話すと、客席からは「えーっ」という声と共に笑いが起きた。
「3試合は連れ戻され、最後の決勝は自分の意思で帰ってきたんですけど、対戦相手の方々、大会関係者の方々、ご迷惑をおかけしてすいませんしたっ!」
マットに頭を叩き付けて土下座をすると、会場からは笑いと拍手が起こった。
「毎日練習して、減量して、ちゃんと試合に出てる選手、マジで強いです。
毎日朝起きて、満員電車乗って、ちゃんと働いてる人、マジで強いです。
学校行ってる人も、家事とか子育てとかしている人も、マジで強いです。
そして、辛いことと向き合わずに、すぐ逃げてしまう人」
先程授与されたトロフィーを片手で持ち上げると、挨拶もまとめに入った。
「そんな逃げてばかりで、周りに迷惑かけてばかりの弱虫な人達には…
こちらのトロフィー、差し上げまーす」
空耳アワーのタモさん風に挨拶を締め、会場にドッと笑いが起きると、「ありがとうございました」と一礼をして、喜出はリングを下りていった。
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「第133話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第133話】感想
◆ 試合後インタビューでの率直な告白が神!
「全国大会、マジで怖かったです」
「今日4試合とも、試合前に怖くなって、会場から逃げちゃったんですよ」
まず、この 「マジで怖かったです」 っていう言葉が、めちゃくちゃリアル。
普通、優勝した選手なら「やってやりました!」みたいなこと言いそうなのに、
ここで 「怖かった」「逃げた」 って堂々と言うのが、逆にカッコいい。
そして、それを聞いた観客の 「えーっ」+ 笑い っていう反応も絶妙。
「そんなこと言っていいの?」って驚きつつも、
むしろ 「素直に言うからこそ、応援したくなる」 っていう流れになってる。
「対戦相手の方々、大会関係者の方々、ご迷惑をおかけしてすいませんしたっ!」
→ マットに頭を叩き付けて土下座 → 会場爆笑 & 拍手
この土下座のくだり、めちゃくちゃ良いですねw
ここで 「土下座する」 っていうのが、普通の謝罪よりも
「ちゃんとふざけながら、本気で謝る」っていう
喜出らしいユーモア になってて、観客の心をガッチリ掴んでる。
◆ 喜出の「マジで強い人」リストが沁みる
「毎日練習して、減量して、ちゃんと試合に出てる選手、マジで強いです」
「毎日朝起きて、満員電車乗って、ちゃんと働いてる人、マジで強いです」
「学校行ってる人も、家事とか子育てとかしている人も、マジで強いです」
これ、めっちゃ沁みる…!
今まで 「強い=リングの上で戦うこと」 って思ってたけど、
ここで 「日常を生きる人も強い」 って言ってるのが、すごく深い。
特に 「満員電車乗って、ちゃんと働いてる人、マジで強いです」 っていうのがリアル。
試合で戦うことだけが強さじゃない、
「逃げずに生きること自体が強さ」 っていう視点があるのが、
喜出が全国制覇しただけの 「ただのスター」 じゃなく、
一気に 「人としても成長した」 って感じられる。
◆ 「逃げる弱虫」に向けた優勝スピーチが名言すぎる
「そして、辛いことと向き合わずに、すぐ逃げてしまう人」
(トロフィーを掲げながら)
「そんな逃げてばかりで、周りに迷惑かけてばかりの弱虫な人達には…」
「こちらのトロフィー、差し上げまーす」
この流れ、天才すぎる!!!
これって、 「逃げたことがある人」 なら誰でも刺さる名言ですよね。
「逃げたっていい。でも、逃げた自分を許すことも大事」
「逃げることを責めるんじゃなくて、むしろ『おめでとう』って言ってやる」
これを言えるのが、喜出が 「逃げることと本気で向き合った人間」 だからこそ、説得力がある。
「差し上げまーす」 の軽さも最高w
「空耳アワーのタモさん風」っていう、唐突なボケが
しんみりしすぎずに 「笑いで締める」 っていうのが絶妙。
会場の「ドッと笑いが起きる」っていうのも、
まさに 「笑えて、泣ける、熱い優勝スピーチ」 って感じで完璧。
◆ まとめ
優勝スピーチが「逃げること」と「強さ」を肯定する最高のメッセージ
「逃げてもいい。でも、それでも戦ったならOK」っていう、救いのある言葉
「トロフィー差し上げまーす」の軽さが、重い話を笑いに変えてる
喜出が「ただの優勝者」じゃなく、「一皮むけた人間」としての成長が感じられる
これはもう、「伝説の優勝スピーチ」 ですね!
試合だけじゃなく、最後の言葉まで 「喜出らしい」 っていうのが最高でした!」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。