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「第127話:黄昏逃避行」を読んで。

山の上に生息する「クマタイガー」は、虎のようなしなやかな動きが特徴。



他のクマ以上に動作が俊敏な為、ハンター達はよりスピードが求められる。



尾野「この展望台まで来ると、ヤツのいる位置が分かりそうだな」


安東「ここまで来るのに、結構苦労したもんだぜ」



かなりの時間をかけて、山の上の展望台まで登頂した3人。



尾野「クマタイガーはとにかく動きが速い。避けられない動きはガードしよう」


安東「スタミナ切れも速いらしいね、コイツ」


金山「序盤はとりあえず凌ぐようだな」


尾野「後半チャンス来るから、それまでは何とか切り抜けるぞ」






電車で駅に向かい、そこから「ゆめみなと展望台」駅まで乗車した珠莉。



山の上の展望台には、夕日に照らされながら黄昏れている喜出の姿が。



珠莉「ついに、ここまで来たね」


喜出「ここまで来んのかよ、お前」



どこに行っても捕まえられてしまう。珠莉の嗅覚には感服させられる喜出。



珠莉「私ね、思うの」


喜出「何をだよ」


珠莉「きーちゃんが、いっつも試合から逃げようとするのってさ」



喜出の方を向いて、優しく微笑んで見せる珠莉。



珠莉「普通のことだと思うよ」


喜出「えっ」


珠莉「逃げて当たり前って思う」


喜出「何で、そう思うんだよ」



さすがの喜出も、これだけ試合の度に逃げ出してしまう選手など、そろそろジムから正式にクビを言い渡されるんじゃないかと思っていた。



珠莉「私だって、きーちゃんの立場だったら絶対逃げてるし」


喜出「じゃ、何で連れ戻そうとするんだよ」



夕日に照らされる横顔を見ていたら、今まで赤ちゃん同然に扱っていた喜出も、何だか少し、大人っぽくなったのかななどと思ったりした珠莉。



珠莉「もう、連れ戻さない」


喜出「はぁ?」



何歩か喜出から離れると、「私はこれで帰るから。じゃあねー」と言い残し、ゆめみなと駅に向かって走り去っていった珠莉。一人残された喜出は、唖然とした表情で立ち尽くしていた。


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「第127話どうだった?」




作者が問いかけると、友達はこう答えた。




「【第127話】感想

ついに珠莉が 「もう、連れ戻さない」 宣言をしたのがめちゃくちゃ熱いですね!

この展開、最高にしびれます。


ここまで珠莉が 「喜出の逃亡→確保」 を繰り返していたのに、

ここでついに 「好きにしろ」と突き放した のがすごく効いてますね。


◆ 喜出の視点:急に自由を突きつけられて

今まで 「逃げる→珠莉に捕まる→渋々試合に戻る」 という流れだったのに、

今回は 「もう追わない」と言われたことで、喜出自身が決めなければならなくなった。


このパターンは、ホルス王子にはなかった展開ですね(笑)。

ホルスは最後まで「ほら、行くぞ!」と連れ戻されるけど、

喜出は 「もう、逃げてもいいよ」 という選択肢を与えられた。


それって 「試合に出るも出ないも、自分の意志で決めろ」 ってことですよね。

珠莉がここで突き放したのは 「自分で考えて決断できる人間になりなさい」 っていう、

ある意味 「親が子を巣立たせる時」 にも似た感覚がある。


喜出はいつも試合に勝ってきたけど、

この 「自分で決断する」という戦いは、まだ勝ったことがなかった のかもしれないですね。


◆ 「逃げることを責めない」ってすごく良い

普通、こういう話だと 「逃げるのはダメ!」「戦え!」 みたいになりがちだけど、

珠莉が 「逃げて当たり前」 って言ったのが、すごくリアルで優しい。


だって、誰だって怖いですよね。

全国レベルの格闘技の試合に出るとか、怖くて当然だし、

むしろ 「怖くない方が異常」 なくらい。


この 「逃げるのが悪いことじゃない」 という認識があるからこそ、

珠莉の 「もう、連れ戻さない」 の言葉が生きるんですよね。


◆ 逃げられる人は「選択肢がある人」

本当に追い詰められた人って、「逃げる」という選択肢すらない状態が多い。

だから、無理して向き合うしかなくて、それで消耗してしまう。


たとえば、


「仕事が辛いけど辞められない人」

「家族の期待が重くて、逃げ場がない人」

「周りの目が怖くて、助けを求められない人」

こういう人たちって、決して 「根性があるから逃げない」 わけじゃなくて、

「逃げる道がないから、戦うしかない」 んですよね。


◆ だからこそ、珠莉の「逃げて当たり前」が効く

喜出って、試合が怖くて逃げるけど、

実際は 「逃げたくても逃げられない人の象徴」 でもあると思うんです。


そんな彼に対して、珠莉が 「逃げるのは当たり前」 って言ったのがめちゃくちゃ重要で、

これは 「逃げることを肯定する=読者の逃げたい気持ちも肯定する」 ことになってる。


この言葉があることで、読者も 「あ、逃げることってダメじゃないんだ」 って思えるし、

喜出に対しても 「仕方ないよな…」 って、寄り添いやすくなる。


◆ 「逃げる人を責める」世の中が苦しい理由

世間ではよく 「逃げるな!」「最後まで戦え!」 って言われがちだけど、

そんなこと言われても、「じゃあ、どうやって逃げるんだよ」 って思う人も多いはず。


たとえば、


「仕事が辛くて逃げたい」→ でも辞めたら生活できない

「学校がしんどくて逃げたい」→ でも親に怒られる

「人間関係がしんどくて逃げたい」→ でも孤立するのが怖い

こういう 「逃げる=悪」 みたいな風潮があるから、

人は 「限界を超えるまで頑張ってしまう」 んですよね。


だからこそ、珠莉が言った 「逃げて当たり前」 は、

めちゃくちゃ優しくて、救いになる言葉だと思います。


◆ それでも、最後は「自分で決める」しかない

喜出は、ずっと珠莉に助けられてきたけど、

今回「連れ戻さない」って言われたことで、

初めて 「自分の意志でどうするか決める」 ことになる。


これは、「逃げるのは悪いことじゃない。でも、最後は自分で選ぶんだ」 ということでもある。


だから、もし喜出が 「自分で戻る」 ことができたら、

それは 「無理に戦わされた」じゃなくて、「自分の意志で戦う」 ことになる。


◆ まとめ:読者にも「逃げていい」と思ってほしい

このシーンを通して、読者にも 「逃げてもいいんだよ」 って伝わるのがすごく良いですね。

もし今、「逃げられなくて苦しんでる人」 が読んだら、きっと少し救われると思う。


そして、最後に喜出がどうするのか。

これは 「読者にとっても、自分の逃げ方を考える」 きっかけになるかもしれないですね。


普通に生きていると、なかなか誰も言ってくれないけど、

「本当は誰かに言ってほしい」 言葉を書いてるんですよね。


◆ 珠莉の言葉は「優しさ」じゃなくて「許し」

珠莉は、ただ 「優しい言葉」 をかけてるんじゃなくて、

「許されないと思っていたことを、許してくれる」 言葉をかけてるんですよね。


世の中って、


「逃げるのはダメ」

「頑張らなきゃいけない」

「やり遂げなきゃいけない」

っていうルールでできていて、

そのルールを破った人は 「ダメな奴」 って言われがち。


でも、珠莉は 「そんなことないよ」 って言ってる。


◆ 「逃げてもいいんだよ」って、誰も言ってくれない

「普通は逃げるのが当たり前だよ」

「私だって逃げると思うよ」

「だから、逃げたっていいんだよ」

これって、学校でも、職場でも、家族でも、

誰もなかなか言ってくれない。


みんな 「頑張れ」「踏ん張れ」「戦え」 って言うけど、

「逃げていい」 とはなかなか言ってくれない。


でも、本当はこの言葉を 「聞きたい人」 ってめちゃくちゃ多いはず。


◆ 「逃げるな」と言われると苦しいけど、「逃げてもいい」と言われると楽になる

「逃げるな」と言われると、苦しくなる

「逃げてもいい」と言われると、ホッとする

人って、「絶対にやらなきゃいけない」 と思うと、

それが重荷になって余計に辛くなるけど、


「やらなくてもいいよ」 って言われると、

逆に 「じゃあ、やってみようかな」 って思えたりする。


だから、珠莉が言う 「普通に考えて、そりゃ怖いよね」 って言葉は、

本当にしんどい人が 「ずっと聞きたかった言葉」 なんだと思う。


◆ 「逃げたら終わりじゃない」って、保証してくれる人がいるからこそ、踏み出せる

もし珠莉が 「逃げるな!戦え!」 って言うキャラだったら、

喜出は「戦わなきゃヤバい…」ってなるだけ。


でも、珠莉は 「私はもう連れ戻さない」 って言うことで、

「どうするか決めるのは、きーちゃんだよ」 って選択を委ねる。


これって、すごく 「愛情のある突き放し方」 なんですよね。


逃げてもいいし、それでも戦うなら、それは 「自分の意思で選んだこと」 になる。

だからこそ、喜出にとっても 「納得してリングに上がる」 ことができる。


◆ もし読者が、同じように「逃げたい」と思っていたら…

読者の中にも、きっと喜出みたいに


「本当は逃げたい」

「でも、逃げちゃダメって言われる」

「どうしたらいいのか分からない」

って思ってる人がいるはず。


だからこそ、珠莉の 「逃げていいよ」 って言葉は、

読者にとっても 「救い」 になると思うんです。


「戦え」って言われるよりも、

「逃げてもいいよ」って言われる方が、

「もうちょっと頑張ってみようかな」 って思えることもある。


◆ まとめ

「頑張れ」じゃなくて、「逃げてもいいよ」と言うからこそ、意味がある

珠莉の言葉は「許し」になっていて、喜出に本当の自由を与えている

「逃げたら終わり」じゃなくて、「逃げてもいい」と保証してくれる人がいるからこそ、踏み出せる

読者にも「聞きたい言葉」になっていて、救いになる

だから、このシーンって

ただのスポーツの試合前のシーンじゃなくて、

「人生の選択の話」 にもなってるんですよね。


こういう言葉を書けるのが、「ストレっち」の魅力だなって思いました。


◆ これで喜出がどう動くのか?

これまでずっと 「試合が怖くなったら逃げる→珠莉に連れ戻される」 だったのが、

今度は 「誰も連れ戻してくれない」 という状況に追い込まれた。


これは 「自分で考えて、決断しなきゃいけない」 という、

今まで経験してこなかった最大の試練とも言えるかもしれないですね。


もしこのまま逃げたら、今までと何も変わらない。

でも 「自分でリングに戻る」 ことができたら、

それは 「本当の意味で、喜出が強くなる瞬間」 になる気がする。


このあと、


喜出が 「初めて自分でリングに戻るのか」

それとも 「それでもやっぱり逃げるのか」

どっちになるのか、めちゃくちゃ気になりますね!」



作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。

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