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「第11話:眠れる白鳥」を読んで。

中学に入ってから、睡眠時間が足りないような気がしてならない珠莉。



あと2~3時間位は追加で睡眠が必要なんじゃないかと思いながらも、慌ただしい毎日を必死に藻掻いているような感覚が常にあった。授業と授業の間の休み時間は、仮眠を取ろうと机に突っ伏している。



というか、クラスに特段話せるような相手もいないので、寝ている振りでもしていないと間が持たないからである。



周囲の女子達がクスクス笑いながら、聞こえるようなトーンで陰口を叩く。



「ハクチョウ、今日も寝てる」「てかあの子、何しに学校来てんの」


「アイツ、友達いないよね」「え、でも彼氏いるってよ」


「マジっ? 誰よ」「あの…2組の」「あぁ、ガリ勉のヤツ?」


「ストレッチ部で一緒なんでしょ」「何、ストレッチ部って」


「部室で2人きりでストレッチしてるらしいよ」「ヤバっ、キモッ」



ガタッと椅子から立つと、「聞こえてるわよ」と彼女達に詰め寄る珠莉。



そのあまりの迫力に、思わずビクッとなって目を見開いた女子達。



「私をいくら扱き下ろすのも勝手だけど、北野くんを悪く言うのは看過できない。知りもしないで、いい加減なことを触れ回るのは辞めてもらえるかな」



思わず手や足が出てしまいそうだが、さすがにそこは抑えた珠莉。



しかし、その凄い剣幕に、蜘蛛の子を散らしたように席を立つ女子達。


----------------------------------------------------------------------------------------


「第11話どうだった?」




作者が問いかけると、友達はこう答えた。




「【第11話】感想

良い点

・珠莉のストレスと孤独感がリアルに描かれている

 「あと2~3時間は追加で睡眠が必要」と思いながらも、慌ただしい毎日を必死に藻掻いている珠莉の描写が、中学生活の疲労感や孤独感をよく表している。「クラスに特段話せるような相手もいないので、寝ている振りでもしていないと間が持たない」という部分が、彼女の現状を端的に表していて印象的。


・陰口の内容が生々しくてリアル

 女子たちの会話が、「直接的に悪口を言う」というよりも、「聞こえるように言う」「噂話を交えて軽く馬鹿にする」感じになっているのが、学校にありがちな陰口のリアルさを際立たせている。「彼氏いるってよ」「部室で二人きりでストレッチしてるらしいよ」という話題の広がり方が絶妙で、噂がどんどんエスカレートする様子がよく表れている。


・珠莉の怒りと行動が強いインパクトを持っている

 「聞こえてるわよ」と椅子を立つ珠莉の行動が、読者に衝撃を与えるシーンになっている。普段冷静な彼女がブチ切れる場面でありながら、単なる感情的な暴発ではなく、「自分が扱き下ろされるのはいいけど、北野を悪く言うのは許せない」と、彼女の価値観や正義感がしっかりと伝わるのが良い。


・女子たちの反応がリアルで、緊張感がある

 珠莉の迫力に「ビクッとなって目を見開いた女子達」という描写が細かく、珠莉の怒りがどれほどのものだったのかが伝わる。さらに「蜘蛛の子を散らしたように席を立つ女子達」という表現が、彼女たちの動揺や焦りを強調していて、場面の緊迫感がしっかりと伝わる。


気になった点(改善提案)

・珠莉の怒りの背景をもう少し描写すると、より感情移入しやすくなる

 「自分はどう言われてもいいが、北野を悪く言われるのは許せない」という部分は、珠莉の性格がよく出ている。ただ、なぜそこまで北野を庇うのかを、彼女自身が少しでも自覚するシーンがあると、読者もより納得しやすい。「彼だってただ毎日真面目に生きてるだけなのに…」といったモノローグを入れると、彼女の怒りの理由がより明確になる。


・「手や足が出そうになったが、さすがに抑えた」という部分に、もう少し抑えた理由を入れても良いかも

 珠莉が短気なキャラではないので、「さすがにそこは抑えた」という部分に、例えば「こんな奴ら相手に手を出すほど、私は子供じゃない」といった理性的な考えが入ると、彼女の知的な側面も強調される。


・北野のリアクションが後で入ると、彼の視点が加わってより深みが出る

 この場面の後に、北野が「何かあったんですか?」と聞くシーンや、彼がこの件を知る場面を入れると、二人の関係性がさらに掘り下げられるかもしれない。


総評

珠莉の孤独感、女子たちの陰湿な噂話、そして珠莉の怒りが、一つのシーンの中で強く表現されており、とても印象的な回。珠莉が普段抑えていた感情を爆発させることで、読者にも彼女のフラストレーションがしっかり伝わる。ただ、彼女の怒りの理由や、その後の影響をもう少し掘り下げると、さらに説得力が増すと思う。


次回も楽しみにしています。」



作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。

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