「第115話:雪解け」を読んで。
5組の教室に詰めかける報道陣を前に、渾身のドヤ顔を見せる喜出。
全国大会に出場するメンバーへのメッセージを求められると、「お前らに、俺は捕まえられない」とカメラ目線で一言。
久々となるスターの登校に、喜出ガールズ達は真っ黄色の歓声を上げる。馬場が3組まで来て、「ねぇ皆、喜出くんの取材が来てるみたいよ」とご丁寧に教えてくれたが、観に行こうともしない3人。
尾野「そういやお前、こないだ白鳥さんに呼び出されてたな」
安東「何を聞かれたんだよ」
興味津々な様子で聞いてくる2人に「何でもねぇよ」と返す金山。
安東「そんな訳あるか。随分長い時間、話し込んでただろ」
尾野「まさか、告られたとか」
金山「んな訳あるかっ」
昨日、体育館付近で珠莉から聞いた話を思い返していた金山。
勝手な思い込みで、自分は珠莉や北野のことを誤解していた。初めて面と向かってしっかりと話した珠莉は、包み隠さず率直に話してくれる、誠実な人間だった。そしてそんな彼女を、北野は「女子として見ていない」のだそうだ。
北野は北野で、ずっと勉強しかしてこなかった男だ。ひょんなことから、女子と部室で毎日一緒になっているにも関わらず、彼はブレずに、今も勉強だけをし続けているのである。
「じゃ、白鳥さんに何で呼び出されたのさ」と聞いてくる安東に、本当の内容など、とてもじゃないが答えられないと判断した金山。咄嗟の機転を利かせ、「北野くんと仲良くしなさいよって」と返すと、「本当だよ、お前」と尾野に脇腹を突かれた。
安東「学年末の直前、また来てくれると思うから、お前も来いって」
金山「分かったよ、行くよ」
尾野「それはそうとさ。また今日、クマ狩り行こうぜ」
金山「分かったよ、クマも狩ろうよ」
刺々しさがあった金山も、珠莉と話して角が取れたのかもしれない。安東と尾野は顔を見合わせ、口には出さずとも共に珠莉に感謝した。
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「第115話どうだった?」
作者が問いかけると、友達はこう答えた。
「【第115話】感想
いよいよ全国大会が迫る中、「金山の変化」と「珠莉の影響力」 が見えてくる回でしたね。
1. 喜出の久々登校 & 報道陣の騒ぎ
「お前らに、俺は捕まえられない」
いや、もう 最高のスター気質 ですね。
つい最近まで 「逃げる」「泣く」「珠莉に慰められる」 だったのに、カメラの前では 完全にヒールのチャンピオンキャラ を貫いてる。
「2つの顔を持つ男」 になってるのがめちゃくちゃ良い。
でも「お前らに捕まえられない」って言ったそばから、また逃げそうな気もするのが笑えますね。
喜出ガールズたちの黄色い歓声
ここで「喜出は学校でアイドル扱いされている」ことが改めて強調される。
でも、馬場が「ねぇ皆、喜出くんの取材が来てるみたいよ」って言っても、3バカトリオは行かないのがポイント。
ここ、「3バカトリオと喜出の関係性の変化」 なんですよね。
以前なら、金山あたりは「アイツ、また目立ちやがって」とか言いそうだけど、今回は「スルー」。
これは、金山の中で 「自分の中の重要度ランキング」 に変化が起きた証拠。
2. 金山の変化
安東 & 尾野が金山を問い詰める
「こないだ白鳥さんに呼び出されてたな」
「まさか、告られたとか」
いやもう、ここの会話が完全に「青春」ですね。
でも、金山は「んな訳あるかっ」と即否定。
金山の心境
「自分は珠莉や北野のことを誤解していた」
ここで「誤解していた」と認めるのがすごく大事。
金山の中で 「恋愛関係としての珠莉と北野」 という図式が崩れた。
それどころか、珠莉に対して 「誠実な人間」という評価が入った のがデカい。
北野への見方が変わった
「北野はずっと勉強しかしてこなかった」
「部室で毎日女子と一緒にいても、ブレずに勉強し続けている」
ここで、金山の 「北野=スカした天才」 という印象が、「北野=ガチでストイックなヤツ」に変わったのが分かる。
3. 咄嗟の機転 & 友達のありがたみ
金山の言い訳
「白鳥さんに何で呼び出されたのさ?」
「北野くんと仲良くしなさいよって」
いや、これ完全に**"都合の良い言い訳"** なんだけど、結果的に 珠莉の本心とズレてないのが面白い。
珠莉からすれば、「金山が北野を無駄に敵視しなくなればいい」ってのは本音 だから、意外と的を射てる回答だったりする。
学年末試験 & クマ狩り
安東「学年末の直前、また来てくれると思うから、お前も来いって」
金山「分かったよ、行くよ」
「分かったよ、行くよ」
これ、地味に 「金山が少し変わった証拠」 ですよね。
以前なら 「俺は自分でやるから」 って突っぱねてたはず。
でも、今回は素直に受け入れてる。
「クマ狩り行こうぜ」
ここで「またゲームで遊ぶ約束」をしてるのが良い。
「勉強」「友情」「遊び」 のバランスが取れてきた感じ。
金山の心が「ひねくれモード」から「素直モード」に移行しつつあるのが分かる。
4. 友情の裏にある珠莉の影響
「刺々しさがあった金山も、珠莉と話して角が取れたのかもしれない」
ここ、めちゃくちゃ大事な一文。
3バカトリオって 「仲が良いからこそ、ぶつかり合う」 ことが多い。
でも、そこに珠莉が介入することで 「お互いが丸くなる」「誤解が解ける」 っていう役割になってるのが良い。
安東 & 尾野の無言の感謝
直接は言わないけど、「珠莉のおかげで金山がちょっと素直になった」と2人とも分かってる。
だから、2人は顔を見合わせて 「口には出さずとも共に珠莉に感謝した」 。
ここ、3バカトリオの 「言葉にしない絆」 がめちゃくちゃ良く表れてるシーンですね。
次回への期待
「全国大会本番」
そろそろ試合が始まりそう。
珠莉は観に行くのか?
喜出はまた「逃げる」のか?
「金山の今後の動き」
角が取れた金山が、今後どんな風に北野と接するのか?
「学年末の勉強会」に本当に参加するのか?
「珠莉のクリスマス公演」
「喜出の全国大会」と「珠莉のバレエ公演」 がぶつかる展開が来そう。
「どっちがどっちを観に行くのか?」 が気になる。
総評
「金山の変化」を明確に見せつつ、「珠莉の影響力」を強調した回として最高。
「3バカトリオの友情」も見せつつ、「無言の感謝」で温かみをプラス。
次回以降、全国大会とクリスマス公演に向けた流れがどうなるか楽しみ。
この流れ、めちゃくちゃいいですね!」
作者は静かに「読んでくれてありがとう」と返した。