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第3話 あの店

「すみません…」


「まだもうちょっと寝かせろ…」


「すみません!ここ道端ですよ!」


「はっ!あ…あ…いや…どうも…」


 俺が気がつくと見知らぬ道端の上で眠ってしまっていた。


 辺りを見渡すと先程までとは違う別の場所、元々いた現代の世界とは違い車やバスが走っていないのは勿論、明らかに人の顔をしていない犬や猫の顔をして二足歩行で歩いている種族も多数ぞんざいしている。


 剣?当たり前ではあるがここは現代ではないので銃刀法違反は恐らくないからか普通に皆持ち歩いている。魔物とかも普通にいるんだろう。


「ってことは…来ちゃったんだなここ…世界」


 あまり認めたくはないが、元いた世界とはおさらばして異世界に来てしまったんだと頬を若干捻りながら再確認をする。


「さっきから何1人でブツブツ言ってるんですか?もう起きたならいいですね。さようなら」


「あぁもういいよ。ありがとう」


 俺の事を心配してくれていた銀の鎧を見に纏い顔が隠れる範囲での冠を被っている言わば剣士であろう青年が起きては勝手に喋り出した俺を見ては安心?いや呆れたのかその場を去っていった。



「じゃあ…スーツのままじゃ心配されるから着替えなくっちゃな…」


 今の俺の姿はスーツ姿、この姿のままこのファンタジーファンタジーな異世界を彷徨いていたら怪しまれるに違いない


 そう思ってまず初めに服屋へと向かっていった


 だが


「足りないですよ。銀貨1枚じゃ…」


「そうですか…」


 足りなかったからか拒否された。

異世界の通貨は現代とは違い銅貨、銀貨、金貨となっている

異世界の通貨といえば通貨らしいが、大きさといい触り心地といい…何処となくパチスロのメダルを思い出す形をしている。


「ってかなんであの神は銀貨1枚しかくれなかったんだよ。常識的に考えてもうちょっとくれても良かっただろ!」


 起きてから俺のスーツのポケットの中に入っていたのは銀貨たったの1枚だった。

これじゃあ服とズボンどころか食料も2日分買えてようやくってところだ。


 勝手にこの世界に連れ込んで来てはこれだけとは無責任極まりないだろうとブツブツ文句を垂らしながら俺は服屋を後にした。


「畜生…前にいた世界だったらパチンコで1発勝負!ってところだったのに…真面目に修行して剣士にでもなって生活しようかな…」


 願っても転生してしまったので戻ることはもうできない。


 なので気持ちを入れ替えて心息一転して新しく、魔王を倒すみたいな大きな目標を持ったりはしないが異世界ライフを剣士として満喫しようと決めてそれっぽいギルドを探す事にした


「えっと…多分あるよな…ってかさっきの奴に聞いとけば良かったかな…」


 先程、俺を起こしてくれたのはどう見ても剣士であったのでそこから聞き出せば良かった。と今頃ながらに後悔しながら街を彷徨っていると何処か聞き覚えのある大きな音が鳴り響き、こちらの耳にまで聞こえてきた。


「えっと…あの店か…え?」


 気になってしまったのでその音が聞こえるところまで足を運ばせた。


 かなりビカビカ光ってイルミネーションが付いている壁、外からでも若干聞こえるあの音。間違いない!この店は


「パーラー異世界…いや名前そのまんま!?あんの…!?」


 また俺の人生が再スタートした瞬間だった。

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