13話、客人が来たよ!④
はい、一日で4話仕上げました。
死にそうです。
今日も今日とて、鬼特訓を甚次郎と受けている。
甚次郎には鬼なんて感じないんだろうが。
甚太郎は、俺たちと基礎訓練を受けたあと、武経七書を初めとする兵略書を読み漁っている。
「若様、お客人にございます。」
「通しといて。」
「かしこまりました。」
「じい、、、」
「分かっております。いかれなされ。そして用が済めばすぐ戻るように。」
「だーーーーーー!!!!!」
ーーーーー五郎自室ーーーーー
「陶家嫡子、陶五郎です。貴公は毛利家元家臣、井上弥左衛門殿ですね?」
「いかにも。井上弥左衛門利宅にございます。」
「6つの齢の男の文に答えてくれて有難く思います。」
「陶様のご嫡男直々のお言葉ならば即座にまいらねば。それより、某は今は、どこの家にも属さぬ者でございます。敬語はやめてくだされ。」
「それはなりませぬぞ、弥左衛門殿。貴公は、某の客人であると同時に、清和源氏の血をひく井上氏の本来の当主でございましょう。」
そうなのだ。ここにいる井上利宅は、毛利元就に叛旗を翻した、井上家当主井上元兼の孫なのだ。元兼を始め、井上一族の多くの者は粛清となったものの、彼はまだ幼少であったため粛清は逃れ、伊予にて牢人となっていた。
「しかし、それがしの腹は決まっております。伊予の地で朽ち果てると思っておりました、この弥左衛門を五郎様呼んでくださった。更に五郎様は武人と名高き、陶尾張守様のご嫡男。どうか、伊予で朽ち果てる身だったはずのこの弥左衛門を臣下の末席にお加えくだされ。祖父や一族の者たちの無念を晴らしとうございます。」
まぁ、どう転んでも、毛利家のことは警戒しないといけない。
であれば、毛利に粛清された一族の遺児である、弥左衛門をおれの直臣にした方がいいか。まぁ元々そのつもりで呼び寄せたんだけど。
「うむ。そなたの覚悟、ひしひしと伝わった。俺の臣下の1人として励んでくれ。」
「ありがたき幸せ!この井上弥左衛門利宅、命を懸けて若様の御恩に恥じぬ働きをいたしまする!!!!」
ちなみに史実での利宅は小早川隆景に、召し抱えられています。ギリギリ隆景より早かったんです。
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