(88)外圧(がいあつ)
一歩、外へ出れば、人は外圧という目に見えない社会の妨げを受ける。この外圧は、なにもその人を苛めようとしている訳ではないが、そのときの社会の流れに馴染ませよう…とする雰囲気をジワァ~~っと醸し出すのである。要は、目には見えない令を漂わせて強制的に和ませようとしている訳だ。^^ 私から言わせれば、少し無理に思えるが、まあ、社会がその方向へ動いているのだから仕方がない。^^
とある商社である。
「どうなんですっ!? 尾釜さんっ!」
「なにがっ!?」
「嫌だなぁ~。対外的な動きですよっ!」
話の内容が分かっていると思って訊ねた鍋川は、少しムッ! としながら説明を加えた。
「ああ、外圧か…」
「ええ…」
鍋川は、分かってんじゃん…と一瞬、思った。
「世界的に物流が悪いからねぇ~」
「悪いから、どうなんですっ!?」
「どう? って、そういうことだよ」
「だから、どう悪いんですっ!」
「君っ! どう悪いんじゃないよっ! 悪いから、どうなんだろっ!?」
「…ええ。まあ、そうですけど…」
「全体的に、まだどの国も自国保護に傾いてるからねぇ~」
「で、外圧はっ!?」
「だから、当然、やりにくいわなっ!」
「なにがっ!?」
「俺達の国がさっ!」
「…ってことは、我が社もっ!」
「ああ、まあな…。内部留保が幾らかあるようだから、潰れる心配は、なさそうだが…」
「規模縮小・・とか、ですかっ?」
「ああ…。外圧が一段と強まれば、そうなるだろう」
「仕方ないですかねっ!?」
「ああ、営業益が減りゃ、否応なしにそうなるさっ!」
外圧は辛くも甘くもなく、いろいろな形に姿を変え、私達を苦しめようとしているのである。ああ、嫌だっ!^^
完




