(73)逆(ぎゃく)
このクソ暑いのに湯気が上がったラーメンかよっ! と逆の成り行きに怒られることはないだろうか? まあ、腹が減っていればそう思えるゆとりもない訳だが…。^^ 人は妙なもので、生活にゆとりが生まれると、それまでは甘かったものが少しづつ辛くなる・・という悪い習性がある。そういう訳で、でもないが、辛い暮らしを逆に甘くすることで、失われたゆとりを取り戻す・・という手法もあるにはある。ただ、そんな馬鹿げたことを考える奇特なお方は少ないのだろうが…。^^
とある関西のフツゥ~家庭である。母親が朝からぜんざい[関東でいうお汁粉]を作っている。
「かあちゃん、なんで塩、入れるんやっ!?」
「甘うするためやっ! 決まったるやないかっ!」
「決まったるからか…。フツゥ~、逆なもん入れえへんけどなっ!」
「小難しいこと言う子やなっ、ほんまにっ! 甘うなるんやから、そんでええやないかっ!」
「ほら、そうやけど…」
「ほんなアホなこと言うてんと、神さんへお供えする折敷でも洗ときっ! ほんまに、36点みたいなもん取ってきてっ!」
母親は子供のテストの答案用紙を見ながら愚痴った。だが内心は、悪いテストを見せんにゃから、この子はええ子や…と、少し嬉しかった。
「んっ!」
このように、いろいろな意味で、逆もまた、真なり・・と言える訳である。^^
完




