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(69)模型(もけい)

 若い頃、趣味の一環として模型もけいを組立てたものだ。完成させてしまえば、さほどの感慨かんがいは湧かなかったが、完成させるまでの過程[プロセス]は非常に楽しかったと記憶している。第三者として見ていると、からこだわる人は、細部の出来とか完成させるまでは…といった気分で作るものだから、どこか逼迫感ひっぱくかんのオーラのようなものが漂う。そこへいくと、甘く拘らない人は、おっ! もう昼か…などと、食べるものを脳裏に描くような軽い場合が多いから、どことなくなごみの雰囲気が現れる。どちらの模型作りが正解か? などという解答はない訳だが、まあ、辛くも甘くも人それぞれ・・とは言える。^^

 とある美術館である。模型展覧会の開催に向け、あらかじめの賞を決定しておこうと、審査員が作品を見回っている。

「おっ! よく細部まで緻密ちみつにっ!」

「そうですか? 私はこちらの方がいいと思いますが…」

「これですか? どうも見劣みおとりがするように思えますが…」

「いやいや、出来はそちらに比べれば不出来ですが、どことなく、なごめる雰囲気があります。そうは思われませんか?」

「ああ、そういや、どことなく…」

 金賞は一見いっけん、不出来に見える作品に決定した。

 辛く繊細に出来た模型でもダメなものはダメなのである。人は甘く和めるものの方が、いいようです。^^


                  完

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