(43)先読み
先読みが甘いか辛いかによって、コトは+[プラス]に向かうか-[マイナス]に向かうかの二通りに分かれる。+に向かえば何の問題もないが、-に向かうのは戴けないだろう。今の日本は…である。^^
とある政府機関の、とある課である。
「どうなんでしょう!?」
「なにがっ!?」
「アレですよ、アレッ!」
部下の職員、猪毛は、アレを強調して管理課長の猿岡に訊ねた。訊ねられた猿岡にはアレが分からない。? と、訝しげに猪毛を見た。
「ホラッ! アレですよ、アレッ! どうなるんでしょうと言ってたでしょ!」
「ああ! 日本経済の先読みか! そんなこと、私に分かるかっ!」
猿岡は怒るでなく全否定した。
「どこもかしこもコロナでコロコロですからねぇ~」
「ああ…。大河が中断されたのは残念だっ! 楽しみにしとったんだよ…。十二月まで大丈夫かい?」
「そんなこと、私に訊かれても…」
猪毛は『ったくっ! この人、何を考えてんだっ!!』とは思ったが、むろん、そうとは言えず笑って暈した。
「去年は大河らしくなかったしなっ!」
「ええ、まあ…。オリンピックは別枠ですしね…。ところで、先月比はマイナス2%です!」
「なにがっ!?」
「落ち込みですよっ! 落ち込みっ!」
猪毛は少し怒れたが、そこはそれ、グッ! と我慢した。
「この手の先読みは規則性がないから困るよなっ!」
猿岡は変なところで猪毛に同調を求めた。
「ええ、まあ…」
猪毛は同調したが、『それが、ココの仕事でしょ!』と反発して思った。しかし、そうとも言えず、ふたたび笑って暈した。
先読みを甘くすればいいか、辛くすればいいか? が分からないときは、笑って暈すに限るようである。^^
完




