(32)苦(にが)い
甘い辛いを通り越せば、苦いとなる。^^ どういうことか? といえば、まあ、そういうことだ。^^ この書き用では分からないから、もう少し詳しく説明すると、忘れようとしても忘れられない記憶・・それが苦いということになる。自然災害、肉親の不幸etc. 例を挙げれば枚挙に暇がないが、時が経過しても忘れられないのは、流石にぅぅぅ…と泣けるほど辛い。
一人の老人がとある所で、バッタリと初恋の老女に出会った。むろん、逢う約束をして・・などというものではなく、飽くまでもバッタリと偶然、出会ったのである。
「やあ! お虎ちゃん、久しぶりだねぇ~~!!」
「… …竜ちゃん!!? 誰かと思ったわっ!」
「ははは…僕も随分、変わっちまったから、気づかなかったろっ?」
「ほほほ…ええ、まあ。私だって、すっかりお婆さんになってしまったわ」
「まあ、それはお互いさまだよ。君に振られた苦い記憶は今も、まだ憶えてるからねっ」
「振った憶えはないんだけど、あなたの方から遠ざかったわっ!」
「お猿ちゃんが、ダメだったと言ったからね。君の顔を見るのが辛くなってさっ!」
「お猿ちゃんがっ!? そんなこと聞いてないけど…」
「ええ~~~っ!!」
このときから、老人の苦い記憶は甘く変化するようになった。二人は今も、茶飲み友達を続けているという。
苦い記憶も甘く辛い記憶へ変わる場合もある訳だ。^^
完




