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(3)好き嫌い

 人によりあま口、から口の味の好き嫌いは当然ある。

 とある老舗のうなぎ専門店、鰻政うなまさである。一人の客が店の暖簾のれんくぐった。

「あらっ! どうされてたんですっ!? 先生。随分、お見限りでしたが…」

「ははは…ちょっとね。最近は、なにかといそがしいもんで…。いつものコースを…」

「へいっ! 他の店へ鞍替くらがえされたのかと気にしてたんですよっ! 実は…」

「いやいや、ここの甘口のタレに勝てる店はないでしょ!」

「そう言っていただけると、商売冥利しょうばいみょうりきるんですがねっ! 中には辛口の方もおられるんで…」

「分かりますかっ!?」

「ええ、そりゃもう。食べておられる顔を見りゃ、大凡おおよそは分かりまさぁ!」

「まあ、味にゃ好き嫌いがありますからねぇ~」

「そうそう! そうでございますよっ! 辛口が好きなお方は、ほれっ! 隣町の…」

「ああ、鰻善うなぜんですか?」

「はあ、まあ…。こればっかりはっ! そうは言っても、人には辛口で、甘味が好みって方もおられますしねっ! ははは…」

「そらまあ、そうです…」

 客がそう言ったとき、鰻料理の数々が運ばれてきた。

「あっしは仕込みがありますんで、この辺で…。そいじゃ、ごゆっくり!」

「ああ、どうも…」

 店主が奥の厨房ちゅうぼうへ消えたあと、客は好きな甘口顔で食べ始めた。

 甘辛の好き嫌いは、顔に出るのである。^^


                  完

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