(16)味(あじ)
甘辛で一番、分かりよいのが、人によって違う好みの味である。こればっかりは、人によって違うのだから良し悪しは関係なく、どぉ~~しようもない。^^
プロ棋士による、とある囲碁の対局が幽霊の間で行われている。飽くまでも幽霊の間であり、幽玄の間ではない。^^ その対局の大盤解説が、多くの愛好家を招いて別の間で、これもまたプロ棋士二人で行われている。一人は新人のプロ初段の女性棋士、そしてもう一人は、九段の中年プロ棋士だ。
「どうなんですかねぇ~~? いや、分かりませんよっ! 飽くまでも私の考えですから分かりません。分かりませんが、どうもその手は味がないように思えるんです…」
「というと、この形勢では響(ひび〉かないと?」
「響かないかどうかまでは分かりませんが、とにかく、このタイミングでそう打つのは味がないと…」
見守る大勢の愛好家達には味がない、響かないの違いがよく分からない。
「では、味よく打つにはどうすれば?」
「ははは…味よく打つには信州で蕎麦を打つことですなっ!」
「えっ!?」
「ですから、美味しく食べられる蕎麦を打つことです。味よくねっ!」
愛好家達から笑い声がドッと湧いた。
コレ! という場面では辛く、味よく打たないとダメなようである。ただ、その味の甘い辛いは人によって判断が違うから、ややこしい。^^
完




