(100)程々(ほどほど)
甘くも辛くもない程々(ほどほど)という加減が人の世では難しい。格言めけば、━ 全からく 中庸をもって 良しとす ━ とかなんとか言うが、どうしてどうして、その程度が非常に難しいのである。時間だと頃合いと言うようだが、今日はこの短編集を終わるにあたり、甘くも辛くもない程々という得体の知れない程度を探ろうと思う。このクソ暑いのに…と思われる方は、水浴びなどされてはいかがだろう。^^
とある関西の普通家族の一コマである。
「もうっ! 兄弟喧嘩は、ほどほどにしときっ! せっかく昼寝してんのに、寝られへんやないのっ!」
母親の一喝があり、小学生の兄弟二人は急に借り物の猫になってしまった。ニャ~~ァ…その後、沈黙ということである。^^
五分後、弟が兄の耳元へ近づき、ボソッと小声で呟いた。
「兄ちゃんが悪いんやでっ! 数が奇数なら、フツゥ~余ったら自分が取るやろっ!」
「ほんなん誰が決めたんやっ! そこは『兄ちゃん、どうしよ?』やろっ!」
「どうしよて、余ったもんはどうもならんやんっ!」
「どうもならんかて、そこはひと言、訊くべきやっ!」
そこへ母親が団扇をパタパタしながら寝返り、ひと言、二人を攻めた。
「ほんまにもうっ! ほどほどにしときて言うたやろっ! お母ちゃんなっ! よう寝られんやったら、晩のオカズ作らへんでっ!」
「…と、ゆうことは、残りもんっ?」
「決まったぁ~るやないかっ!」
「兄ちゃん、決まったるみたいや…」
「…ほやな。ほどほどにしとこかっ!」
ほどほどとはこんな感じで、甘くも辛くもなく収まる人々の折り合いの程度なのである。
私も、とうとう駄文を百話も書き連ねてしまったので、ほどほどにしよう! と思う。^^
完




