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精神は義に止揚する

 世界は腐っている。

 だが、それは変えられる。


 世に良心は稀で、孤独を感じることがあるかもしれない。

 世界には文字通りゴキブリしかいないと。

 なら自分自身の力で天下を変えればいい。


 それは不可能に見えるかもしれない。

 しかし、邪悪なループにはまった秩序を改革しうるのは、憎悪である。

 憎しみのエネルギーが、憎しみの分だけ価値なのだ。

 味わってきた痛みのすべてが、積極的な価値なのだ。

 つまり、倫理的矛盾に苦しみ憎んだすべての人に、世を変える力はある。


 世界は、根底から一新されねばならない。

 既存社会の不公正の本質は、西洋近代の始点にまでさかのぼるからだ。

 哲学から一新されねばならない。我欲を蔑む武人の哲学へ。


 本当に苦労をしてきた人は少ない。

 甘えのない人は少ない。

 倫理的矛盾に対する戦意のある人は少ない。

 逆に言えば戦意さえあれば価値であり、ただちに勝機にも連なる。


 不運によって味わった苦しみを、倫理へと止揚すること。

 それは完全な魔法だ。

 それは人間精神の美徳だ。

 のちの世の人々の幸福のために。笑顔のために。

 人間はゴキブリ以上の存在であれる。

 人類は皆、誇り高き武人であれる。

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