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[16]時間が連れ去ったもの

何がが音を立てて壊れていく。

全ては一瞬で崩れるほど儚いものなのだろうか。

憎しみ、愛

裏切り、信頼

死、生

相反するものが乱立する世界で

平和とは何かを問う


過去が変われば今も変わる

だが時を戻す術はない

だから未来のために今を変える

命を燃やせ

まだ見ぬ誰かのために

「それじゃあさようなら。」

「もう行く?」

「これ以上言うことないもの。」

 2人は破れた場所から出ていこうとしていた。

「必ず……。」

「?」

「必ずお前たちに勝つからな!」

「…。」

 何も言わずに去って行った。

「くそっ。」

「作戦を立てましょう。」

「開戦はすぐです。」

「……ああ。」


「ユーリさんが……。」

「まさかね……。」

「そんな感じなかったのに。」

「ずっと隠していたようだから、上手くたちまわっていたんでしょうね。」

「どんな理由があっても、あいつらは許しちゃいけない。」

「ええ。」

「最後に勝つのは俺たちだ。」


「どうする……。」

「情報は筒抜けだぞ。」

「戦力も把握されている。」

「向こうの方が一枚上手だったようだな…。」

「悩んだってしょうがない。」

「ジン。」

「今までどうりでいいだろう。」

「総力戦になるな。」

「これが最後の戦いだ。必ず滅ぼしてやる。」


「明日には出発ですね。」

「ああ。」

「あ。ねぇ、君たち。」

「俺ら?」

「そうよ。」

「なにかあったか?」

「制圧戦でいくつかの隊が機能しなくなっちゃってね。」

「はぁ。」

「追加メンバーです。6人になるね。」

「俺は、リトス・レド。よろしく。」

「フィリーカ・アンカーツです。よろしくお願いします。」

「おう、よろしく。」

「連携は…よく分からないけど全力で頑張るよ。」

「援護は任せてください。」

「お前らのことちょっと聞かせてくれよ。」

 追加メンバーとはすぐに仲良くなった。

「え!?年上?失礼しました。」

「いいって、気にしないよ。たかが1年ぐらいで。」

「そう言えば皆さん、先ほどの方と……。」

「さっき?ユーリさんのこと?」

「はい。」

「指導者だったんです。」

「なるほど。」

「もし戦うってなったらどうしよう……。」


「おかえり、セイラ。」

「久しぶりだなぁ。」

「待ってたぜぇ。」

「ありがとうみんな。」

「任務ご苦労だった。」

「マスター……。」

「これから最後の闘いだ。」

「我々の勝利の為に頑張ります。」

「やっとぉ戦いに行けるぜぇ。」

「必ず駆逐するのだ、悪しき人間を!」


「行くよ、ハルト。」

「ああ。」

(ユーリさん…。)

「もっと強い敵がいるんでしょうね。」

「うう、死にたくない。」

「大丈夫だって。」

「頑張りましょう。」

(もう一度ちゃんと話がしたい。)

「わかり合う道はあるはず。」

「えっ?なんか言った?」

「いいや、なんでもない。」

「来たよ!」

「へぇ初めて見た。砂漠の向こうの人間。」

 素早い攻撃が襲う。

「殺すぞ。」

「二人組か。」

「僕らの方が多い。」

「さっき話した通りに。」

「了解。」

 互いに一定の距離を保ちながら戦う、隙を狙って遠距離攻撃。これが作戦だ。

「くっなかなかの強さ。」

「どうする、カルマ。」

「そうだな……。」

「押してるよ!」

「行くぞってうわっ。」

 急に地面が沼のようになり、引きずり込もうとする。

「何だ?」

「抜けません。」

「油断は禁物ですよ、カルマ、リーシャ。」

「エド……。」

「人間を捕まえました。ふふっ。どういじめてあげましょうか。……んっ。」

「銃弾?」

「近距離戦以外もするんだね。意外に賢い。えらいえらい。」

「あぁ?くそっ。こいつ腹立つ!!!」

「私達で仕留めるよ!」

「はい。」

「女の子……ふふっ。」

 出会ったばかりとは思えない連携で敵を圧倒する二人。

「ははっ女の子に殺されるならいーや。バイバーイ。」

「よし。」

「あと二人。」


「へっやるねぇ。」

「長い時間待っていたんだ、これぐらいじゃないと。」

「行くぞ!」

 ハルト達の猛攻に、

「ぐあっ…。」

「これで終わりだ。」

「!」

「お前ら人殺しは許さない。」

「人殺し……?何だ、それ。僕らは今日初めて……戦いをした。意味が……分からないな……。」

「?」

 そう言い遺して消えた。

「もう1人は逃げました。」

「先へ進むか。」

「……。」

「ハルト?」

「そうだよな。」

「何が?」

「さっきのやつが言った。戦いは今日が初めてだと。僕らと同じように戦いが本格化するまで無縁のやつもいる。」

「確かにその可能性もありますね。」

「全員同じように見ていたけど違うのかも。」

「おまえなぁまだそんなこと言ってるのかよ。」

「でも……!」

「確かにあっちなりの事情はあった。けどどっちかが勝つまで終わんねぇよ。これはあっちが望んでいた戦いなんだからな。」

「……とにかく進みましょう。」

「ああ。」



「父さん!!」

「……ハルト……か。」

「何で?何で!」

「強すぎる……何だ……あいつら……。」

「あいつら?」


「ぎひひぃ燃えろ燃えろ!」

「任務完了。」

「邪魔者討伐ぅー!」

「帰るぞ。」


「……ひどいよ……うぅ。」

「ごめんな……頑張って生きろよ。」

「友達も……父さんも……全部……。」

「オラシ……オンに行けばあいつらを殺せる……。」

「…わかった。必ず倒すから。約束。」

「ああ……約束……だ。」

「うぁぁぁぁぁぁん……。」



(俺は倒すと決めたはずだ。でもなんでこんなにモヤモヤしてるんだ?)

「遭遇しませんね。」

「誰かが通ったあとなのかしら?」

「嬉しいようなそうじゃないような。」

「そうね。」

「俺の家族を殺した奴もここにはいるんだろうか。」

「誰かが倒してくれているかもよ。」

「そう願いたいね。」

「にしても遠いな。」

「全然基地に近づきませんね。」

「だいぶ来たと思ったんだけど。」

「確かに。」

「んんんん?」

「何?」

「先ほどから周囲の戦闘の音が聞こえないような……。」

「え?嘘!」

「何が起きている?」

「皆やられた?」

「そんなことはないでしょ。」

「俺らはいったいどこに来ちゃったんだ?」

「幻影術の中よ。」

 ふと声がした。

「!」

「トラップなんてそこら中にあるわ。時間はたっぷりあったもの。」

「……ユーリさん。」

「セイラっだってば。調子はどう?」

「最悪だ。」

「そう。」

「幻影術……。」

「そのまま進んでくれたらよかったのに。鋭い子は嫌いよ。」

「よかった?」

「いったいどうなっていたんだろう。」

「まぁいいわ。どちらにせよ殺すのみ。」

「……。」

「私は遠慮しないから。」

「くそっやりにくいことになった。」

「さぁ、楽しみましょう。」

 高らかに笑いながらそう言った。


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