いつの間にか死んじゃってました
とある世界のとある場所、1人の男性が立っていた。彼の名前は九重一夜18歳、そんな彼には与えられたある指名があった。それは...
「これを俺1人で直していくわけ...?」
遡ること数時間前のこと...
「さっさと起きろと言うておるのに」
ん...ここは...なんだこの爺さん...なんで俺はこんな所で寝てるんだ...
「はよ起きんかい」
ごふっ!
渾身のストレートがみぞおちにはいる
なっ!なんで俺は殴られたんだ!
「やっと起きたかこのたわけ者め」
たわけ者って...ここは一体どこだ...って!浮いてる!?
「おぬし今の自分の状態に混乱しとるようじゃの、単刀直入に言う。おぬしは死んだんじゃ」
死んだって...俺死んだのか。どうりでお空にぷかぷか浮かんでいるはずだ。それにしてもなんで死んだんだろう...死ぬようなことしたかな
「しかしこんな若いの不憫じゃのう。あんな死に方をするとは」
え、なに、俺そんなにひどい死に方だったの?おじいちゃんに不憫って言われるレベルの悲惨な死に方だったの?
「あまりにもかわいそうだったからわしがおぬしを生き返らしたんじゃが」
そんなにひどい死に方ならどんなのか気になるな。それに生き返らした...?てことは今この状態で俺は生きてるってこと?
「今は半分臨死状態みたいなもんじゃし声は出んじゃろう」
半分臨死状態ってほとんど死んでるじゃんか。まぁ声が出ないことはなぁなぁで気づいたんだけどさ
「そこでの、わしは不憫なおぬしに選択肢を与えようと思う。」
選択肢?
「うむ、おぬしはわしの気まぐれで生き返るんじゃが元の世界のおぬしは原型を留めておらんでのう、それで他の世界になら生き返ることが出来るんじゃ」
原型をとどめていない!?やばいなそれ...
「とにかく今から3つの選択肢をおぬしに与える、その中から自分の行きたい、または気になるところを選ぶがよい」
1,異世界
2,魔界
3,暗黒界
おい待て、1の異世界ってのはわかる。こういう展開じゃお約束だからな。でも2と3はなんだ、魔界と暗黒界ってなんだ。転生先がそんなとこじゃ転生してまたすぐ死ぬだろ。こんなの選択肢にならない、1だ
「じゃあ次は自分の行く異世界を選んでおくれ」
1,異世界A
2,異世界B
3,異世界C
雑!ABCしか違いないしそれ聞いただけじゃどの異世界が気になります!ってのが全然出てこないぞ。せめてそれぞれのことを少し教えてくれ
「まったくわがままじゃのう...1度だけそれぞれについていうぞ。まず最初のAの世界は広大な大地に豊かな自然が広がる世界...だった、魔法が溢れ人々が快適に暮らす世界...だった。次のBの世界は進歩した工業で賑わう世界...だった、そこでは日々の生活に機会たちが結びつく楽しい世界...だった。最後のCの世界は魔法と剣を使いモンスターと戦っていく世界...だった、人々は協力しあい手を取り合ういい世界...だった」
なんで全部過去形なんだよ!なに?今はどの世界も違うわけ?
「そうじゃのう...さっきの選択肢をわかりやすくしてやろう」
1,異世界A(滅んだ)
2,異世界B(滅んだ)
3,異世界C(滅びかけ)
最後のとこ以外滅んでた!?そんなにほかの世界はポンポンと滅んじゃうわけ!?
「そういうことじゃないんじゃがのう...最近になって滅ぶ世界が多くなってきたのじゃよ...」
ふーん、それぞれの世界はなんで滅んだの?仮にこの3つから選ぶならせめてその状態を知らなきゃいけないし
「最初のとこは太陽が近づいてきて地上が焦土に、次の世界は流星が降り注いで荒野に、最後の世界はギリギリ滅んでいないのじゃが魔王軍の進行で地上の8割は更地になってしまったのじゃ...」
うん、やっぱりAとBは無理なようだ。Cでもギリギリだけど仕方ない。焼け野原と荒野に行くよりは断然マシだ
「Cの世界じゃのわかったぞ...といいたいとこじゃがおぬしに悪い知らせが入った」
まさか...?
「そのまさかじゃ。たった今Cの世界が完全に滅んだそうじゃ」
どの世界も滅んじゃったよ!?俺の選択肢は滅んだ世界への挑戦しかなくなったよ!?
「まぁ滅んでしまったものは仕方ない。おぬしを生き返らせるもう一つの理由もあるしのう」
もう一つの理由?不憫以外にあったの?
「そうじゃ。おぬしを生き返らせたのは滅んだ世界を創り直してもらうためじゃ」
創り直す?俺そんな救世主的な感じで生き返るんだ...
「とりあえずおぬしにはさきほど滅んだCの世界に行ってもらおうかのう。どう作り直すかはおぬしの足元にある《世界を作り直そうマニュアル》を読んでおくれ」
足元って...でかっ!なんだこれ!広辞苑ぐらいの厚さだぞ!?
「それとおぬしに簡単に死なれると困るから身体能力を高めた上で行ってもらう」
それは嬉しいな。転生してすぐ死んだんじゃ作り直すも何も無いからな
「それに加えていくつの道具も用意しておく、それを使ってどうにか世界を作り直して欲しいのじゃ...頼むぞ」
まぁ生き返らてもらうんだし拒否はできないな。そうだせめてその異世界の名前を教えてくれないか?今から行くとこの名前を知らないのもアレだからさ
「ああそうじゃのう、世界の名前は【オルタナティヴ】じゃ」
たいそうな名前だな...まぁそうとわかったらさっそくやるさ。爺さん、早く俺をその【オルタナティヴ】に転生させてくれ
「待つんじゃ、まだ最後の選択肢が残っておる」
まだ選択肢があるの?じゃあさっさと出してくれ
「まったく急かしおって...これは転生方法についてじゃの」
1,空から高速降臨
2,海から高速降臨
3,陸から高速降臨
なんで!?完全に殺す気だよね!?どれを選んでも無事に転生できる気がしないぞ!?
「ちなみにこの選択肢は10秒で選ばぬと転生できんぞ」
んな!?このいい加減爺さんめ!?...この中だと...3だ!
「それじゃあ頼んだぞ...」
とまぁこんなことがあり今に至るわけだがさすがに転生して見た景色は酷いもんだ。なんせ全方向見渡しても完全な更地だしな。何はともかく今はできることをやっていくか