席替え
ガヤガヤ ガヤガヤ 「ねぇ 席替えどうだった?」 「うわぁ最悪教卓の前じゃん!」 「やった!あの人の隣だ!」などと皆、自分の思い思いの愚痴や自慢を話していた。そんな風に思っていた私をある女の子が話しかけてきた。彼女の名前は幹島真由美。彼女はその美しい容姿とサラサラな髪の毛、何よりも皆に平等に明るく接することから、クラスでも男女関わらず人気者だった。そんな人気者の彼女は、なぜかしらこんな平凡な私と一緒にいる。 そして、「ねぇ、美優 席どこになった?」ときいてくる真由美に対して私は「うーん?ベスポジじゃなかったけどなかなかいい席だよ」などという曖昧な反応をし、「真由美はどうだった?」何て聞き返すと、「私? 私は最悪だったよー! もうど真ん中なんだよ! 先生に睨まれちゃうよw」なんてたわいもない会話をしていた。
そしたら、先生が「ほら、新しくなった席に付け」と言われ、自分の席につこうとしたとき、真由美が内緒話のように耳元で「美優の隣の席、鈴木 蓮君じゃん!良かったね♪」何て言われて私は、はい?どうゆうこと?と混乱しつつも理解した。 私のクラスでは皆が言うイケメンという人が二人いて、その一人が鈴木 蓮だということだ。鈴木君は先輩後輩関わらず女子から人気だ。たまに告白されているところをみることもあるし、裏ではハァンクラブもあるという。 そして、私は真由美からきいたことを受け流し、席に着いた。
そして、先生の話を聞きながら、何気なく隣を見た。私はそのあまりにも整った顔立ちとカーテンから流れる風で、髪をサラサラとなびきながら、ぼぉっと校庭を見ている姿に、少しながら心がトキメイた。