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プロローグ

 鏡をじっと見る。

 ちょっと釣りあがった、大きな二重の瞳がこちらを見返してくる。

 顔の輪郭はすっきりした卵型で、眉毛は太すぎず細すぎず。すらっと通った鼻筋に、何も塗ってないのにキレイなピンク色の小さい唇。

 漆黒でつやつやな髪の毛は、前は眉毛にかかるくらい。横は軽く内に跳ねて頬に少しかかっている。後ろは背中の中間くらいまで伸びており、先っちょを軽く黄色いリボンで結んでいる。


 父さんはかわいいかわいいとてもかわいいと、母さんは私に似てほんと~に美人ねえ、私に似てて、などと良く言ってくるので、恐らく可愛くて美人なのだろう。


 Yシャツの第一ボタンをとめ、学校指定である一年生用の、緑色で短いネクタイを締める。濃紺で所々金色に縁取りされた襟元が大きく開いたブレザーを羽織る。


 厚手の生地の上からでも十分にわかる大きなふくらみを、手でぽふぽふと持ち上げる。はっきり言って大きい。ぶっちゃけて言うと巨乳だ。人のを見る分には目の保養で済むのだろうが、自分にくっついているとなるとありていに言って邪魔なだけだ。


 腰はやや詩的な表現をすると柳のように細く、お尻は大きすぎず小さすぎずにツンッと持ち上がっている。赤いフレアスカートの先からは、細くすらっとした長い脚。


 なんか面倒になってきた。当然ながら肌もきめ細かくて美しいらしいですよ?要するにかわいくて美人でスタイルも抜群という事らしいのだ。自分ではいまいち自覚できないのだが……。



「行ってきます」

 

母さんに一声かけて、表に出る。中学卒業を待たずに引っ越してきた、まだ二ヶ月もたっていないピカピカの新居を出て、テクテクと歩いて登校する。



 この春から通っている光泉学院高校までは、住宅街を抜けて商店街~駅前通りを抜けるまで15分、そこから更に10分弱の、合わせて30分かからない程度。自転車通学が認められている距離ではあるが、慣れないスカートで自転車に乗るという行為がどうにも不安だったので、諦めて徒歩で通っている。


 学校に近づくにつれ、同じく登校中の生徒も増えてくる。他の人に目を合わせないで済むよう、目立たないよう、うつむき加減になりながら道を進む。別にいじめられている訳ではないデス。間違ってクラスメートに遭遇したりして教室までおしゃべりをする等という事態を避ける為の、自衛の手段なのデス。その他諸々もありまして。


 チャイムが鳴りだすキッチリ10分前に正門に到着。生活指導の先生が門の横に立っているが、近隣では名の通った進学校であり周囲の治安も良く生徒のモラルも高い事から、仕事がないと思われる。いや、授業も担当してるから仕事がないというのは言い過ぎか。その先生に軽く会釈をして正門を通過。


 今日も何事もなく過ごせますように。変なボロを出さずに済みますように。目立たず、騒がず、ひっそりと。そうだ、今日は本屋に寄ってから帰ろうかな。と、一限さえ始まっていないのに帰りの事を考えたりしつつ下駄箱を開けると……。




 ラブレター




 誰かと間違えてたりしてないかな。というか間違いであって欲しいんだがな。

 裏返すと、宛名が書いてありましたよ。


『美里 晶』様


 様付けとは丁寧デスネ……。美里 晶。ミサト アキラ。うん、オレの名前だ、間違いないです。


 せめて女の子からならな……。いや女の子からでもどうしようもないけど。オレも今は女だしな。でも男と付き合う気はないな。元々そんな異性に興味はなかったけど、女になったから男と付き合いますとかありえない。友達さえ作らなかったのに彼氏とかホントありえない。ありえない……


 というか少しくらい噂になっててもいいだろ、美里 晶は男に興味は無いって!オレは入学してしてから何人ふったと思ってる!?ああ、自分でも嫌なセリフだなこれ!俗に言うイヤな女だな!!オレが悪いのか?なにもしてないのに!大人しくしているのに!うううーー!!



「……今日は『オレに関わるなオーラ』を120%増しで出して過ごそう」


 そうつぶやいて足取りも重く教室に向かうのだった。

初投稿なので見苦しい点が多々あると思いますが打たれ弱いチキンなのでご容赦を。

微妙にリアル、微妙にファンタジーで行きたい所存です。

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