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元おじさん獣娘の異世界無双録-規格外の魔力で好き勝手生きる-  作者: 東山スバル
第一章

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22/24

022 襲撃者

 こうして、ルイとコートはMIH学園へ進むことになった。


『時期的に、もう入学締め切りになっちゃうから、ひとつだけ決めて』

「なんですか?」

『ピースランド分校か、本校へ通うか。ピースランドのほうが入りやすいけれど、本校のほうが設備等が充実してるわ。まぁ途中で届けを出せば、異動できるけれどね』

「なら、とりあえず本校にしておきます。ノースAs市にあるんですよね?」

『そうね。サウスからはそれなりに離れてるから、引っ越したほうが良いかも』

「分かりました。ありがとうございます」

『あと、貴方は値札──評定金額が3億メニーついてるから試験無しだけれど、その、もうひとり入りたいって子がいるっていうじゃない。あしたまでに試験を受けないと、9月からの編入になっちゃうわよ』

「そうなんですか。んじゃ、急がせますね」


 コートといっしょに入らないとチグハグになってしまうので、ここはあしたまでに、彼に入学試験を受けさせたほうが良いだろう。ルイは電話を切り、コートへその旨を伝える。


「あしたまでに入学試験受けないと、後期入学になるってさ。ひとまず、電車でも使ってMIH学園へ行くぞ」

 コートは頷く。「分かりました。ルイさんと同じ学校にいけるの、すごい楽しみです」

「まだ合格と決まったわけじゃないからな?」


 そんな会話を聞いていたミンティは、眉を潜めながらふたりへ言う。


「アンタら、電車でMIH学園なんて数時間かかるぞ。車のほうが早い」

「そうなの? でも、車ないでしょ」

「おれは、父さんのボディーガードのひとりと仲が良い。そのヒトの車で行こう」

「ボディーガードが大統領の息子のために車を出すのか」:

「おれだって一応公人扱いだからな。アンゲルス連邦の大統領はいわば、4年に1回〝国王〟を選出するもんだ。国王の息子は王太子だから、それくらい許されるんだよ」

「へェー。まぁ良いや。ミンティ、そのヒトを呼び出してくれ」

「もう呼んであるよ。ホテル前で待機してる」

「手際良いな」


 そんなわけで、ルイとコート、ミンティはさも当然のように天使リリスを無視し、ホテルから出ていこうとした。

 ところが、リリスは3人が外用の格好になっているのを見ていたらしく、


「私をおいていくつもりですか!?」


 と文句をつけてくる。


 ミンティは冷たい。「別にお留守番くらいできるだろ」

「天使は、転生した人間に憑いていなければならないのですよ!? それを破ったら罰則が──」

「そんなルール、律儀に守ってる天使いねェよ。天界の法は、案外適当だからな」

「で、でも──」

「行くぞ」

「あぁ」

「はい」


 やっぱりリリスを無視し、一行はミンティが用意した車に乗る。


「ミンティ、人使いが荒いな」

「そりゃどうも。けど、父さんは死んでも死ななそうなヒトだから暇なんでしょ? リヒトさん」

「そりゃあ、大統領はおれより断然強ェからな。もうボディーガードいるのか? ってレベルに」


 赤い髪をホスト風にしているアジア系の青年リヒトは、後部座席にルイとコートが座ったのを見て開口一番、


「おぉ、可愛い子だな。銀髪の獣娘ちゃん。同年代だったら好きになってたかも」


 と言う。


「そ、そうですか」


 男である中身を捨てきれていないため、なんとも不思議な気分になる。とはいえ、顔を赤らめてしまえば、もうおっさんとしての尊厳はないに等しい。


 とか思っていると、


「──おい! 全員伏せろ!!」


 リヒトの大声が車内に響いた。全員かがむと、その瞬間にはワンボックスカーの上部分が斬られていた。まるでオープンカーのようになってしまった車から、一行は降りる。


「クーアノンか? それとも……」


 日本刀を持った老人が、こちらを睨んでいた。


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