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本日2話目の投稿です。
【side:クリスティーナ】
そろそろ王竜の選定時期だな、と考えた時には既に身体が動いていた。
遠い遠い世界の狭間にいる我が王の気配を辿り意識をつなげる。
白い靄の先に穏やかに笑う我が王を見つけ、不覚にも笑みがこぼれてしまった。
「我が王よ、次の王竜選定、どうするおつもりで?」
笑みのまま問うたクリスティーナ。
いくら隠居してしまっているとはいえ、国を挙げて行われる選定という大事な儀式に差し掛かっている。
自分たちの時もそうであったように先代には先代のやるべきことがあるのだ。
希望と、少しのワクワクで胸をいっぱいにして意識の中で王に向き合う。
しかし彼女は次の瞬間すっこけそうになる。
「王竜…もうそんな時期か?まだ先のことでは?」
笑みはそのまま、額に青筋を浮かべたクリスティーナは東洋に存在するという“ハリセン”なるものでダグラスを引っ叩きたくなった。
王竜の選定の儀はおおよそ300年の周期で繰り返される。
別に先代が死んだから行われるものではないため、比較的穏やかに代替わりできるのがウリだ。
王竜とその選定者が感じ取り、候補たちの誕生のきっかり1年前に鐘が鳴ることになっている。
つまり選定は誕生から始まっていて適正な教育を受けた後に選ばれる形なのだ。
自分が感じ取ったということは近々鐘が鳴ることは間違いがない。
にもかかわらず、いつものんびりしているこの人は何も考えても感じ取ってもいなかったようだ。
はっきり言っておこである。
「はぁ、もういいわ。こちらで何とかしてみるから」
選定の儀まで間もないと分かったのだからここで彼をのしたところで問題は解決してくれない、とクリスティーナは思い直した。
必要な事も物もまだ何も揃ってはいないのだ。
特に次代の選定者の選出は必須。
どこに住んでいるのか、年齢はいくつなのか、男なのか女なのかも分からない。
ここ最近は皆、竜の国から出ているのでいざとなったら国中を調べようと考えている。
だが取り敢えず漫才か漫画の中でした見たことのないハリセンを探してみようと思ったクリスティーナであった。
転生者はクリスティーナでした!過去話はちょこちょこ出てくる…はず。
ちょっと短いですが、前話がアレだったのでお口直しに。
これにて年内の更新は最後となります。皆様よいお年を~☆