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新居

「ところでお宝の配分とかは決めてあるの」

「いえ、決め手ないですね。俺の頭の中では行った6人で6等分かと思っているんですが」

「あんた達の中で揉めることもないとは思うけど、ジミーは立場も違うし、早いうちに決めておいた方がいいね」

「ジミー、お前が施主なわけだが、基本的には俺達が戦った。6等分でどうだ」

「うん。それで頼むよ。正直、ここまでの成果が出るとは思わなかったよ。ありがとう」

「ちょっといいですか」

シロウが口を挟んできた。

「全部とは言いませんが、魔道具と書籍などの研究をする権利をいただきたいんですが。延べ棒などのお金はいりません」

「ああ、俺はそんな感じでいいと思っているが、ジミーどうだ」

「そうだね、何点かは、露店で売り捌きたいんだけど、それにしても調べてくれるのはかえってありがたいね」

「みんなもいいか」

「構わないぜ」

「結構よ」

「オッケーですです」

まあ、みんなざっくりした感じだな。守銭奴はいないようでよかった。

「あとは、エリザベスさんにも保管料をお支払いする必要がありますね」

「まあ、私の所も魔道具とかを触らせてもらえればいいよ」


みんなの大まかな同意が得られたところで、俺とジミーで両替商に行った。

シロウは残ったが、3人は家に戻って休息することにした。

両替商では金の延べ棒を一本現金に換えた。

「おお、これは見事な延べ棒ですな」

でっぷりと太った店主が驚いたように金塊を撫ぜた。

ジミーはここで口座を作り、入金。俺達の分はギルドの口座に振り込んでもらう。

1割くらいを現金にして、俺とジミーでわけて受け取った。

「さて、俺は帰るが、ジミーはどうする。泊まりに来ても構わないが」

「うん、俺は姉ちゃんのところに行くよ、多分泊まらせてもらえると思うから。少しは姉ちゃんのそばに居てやらないと怒り出すからね」

そうだな、アイシャの弟愛は強そうだ。


家に帰るとシロウも戻っていた。

「みんなお疲れさん。ちょっと提案が有るんだけどいいか」

「なにかしら」

「金の当てができたから、もう少し大きい家を買いたいと思うんだけど、どうかな」

「ああ、そうね。元々リードの所に居候させてもらっていたから、みんなで大きい家を買うのはいいわね」

「もし、独立したい者がいれば、それでもいいしな」

「私はみんなと一緒に住みたいです」

「そうね、私もこのメンバーなら一緒の方がありがたいわね」

「俺もこっちの世界に慣れたとは言っても、未だわからないことも多いから、一緒に暮らしたいな」

「私もウーコンと同じです。錬金術で向こうに泊まり込むこともありますが、まだまだ皆さんと一緒に居て、教えていただきたいです」

「じゃあ、きまりだな。明日、ギルドで紹介してもらって家を探そう。あと、聞いてみないとわからないが、ジミーにも声をかけようと思うから」

「ええ、それがいいわね」


翌朝、錬金術師の店に行った。

「やあ、ジミー姉さんに甘えられたか」

「なに言ってんだよ、ねえちゃんがうるさいから来てやったんだ」

顔を赤くして怒っている。

「ところでジミー、俺達は全員で住めるような家を買う心算なんだが、お前も一緒に住むか」

「えっ、いいの」

「ああ、お前は冒険者じゃないけど仲間だからな」

ジミーは少し考え込み。

「ねえ、姉ちゃんも一緒にどうかな」

なるほど、この姉弟が一緒の方が良かったか。

「私はここから動かないわ、師匠に破門されない限りここに居るの」

「まあ、ありがたいわね。私の骨を拾ってくれるわけね」

エリザベスが優しい眼差しで弟子を見る。

「正直言えば、私もアイシャが一緒に居てくれるのはありがたいのよ。だから、折衷案として、新しい家が決まったら、ここと転移陣で結ぶってのはどうかしら」

凄い折衷案が出てきた。

まあ、俺達に依存はないが。


ジミーを交えて、ギルドに行き、不動産屋を紹介してもらった。

「いらっしゃい」

応対したのは、にこにこした初老の女性だ。グレースと名乗った。

「俺たち全員。6人で住める家を紹介してもらいたい。風呂や庭が有るところがいいんだが」

中々手広くやっている店らしく、候補は7点あったが、図面と地図を見て二つに絞った。

金額は変わらないが、郊外の広い家と、街中のそこまでは広くない家。広くないと言っても、もちろん風呂、庭付きで、人数分の個室は揃っている。

そのまま転移して現地確認も可能だが、グレースを驚かせないように、近い方はこのまま徒歩で、郊外の広い家は、明日時間を決めて見に行くことにした。

街中の家は二階家だ。

「ここも、十分広いようですね」

「そうね、部屋数もあるし、文句はないわね」

「お風呂も広くてきれいです。これなら私達も交代で入れるです」

まあ、ノラとウーコンがそれでいいなら構わないが。

グレースの説明も聞きながら、家全体を見て回った。

庭は裏に少しあるといったくらいだった。


その翌日、シロウの転移魔法で郊外の家に行った。

確かに郊外と言うだけあって、両隣は畑、裏は竹藪だった。

畑の向こうにそれぞれ臨家らしい建物がある。辺りを見回すと、人家は疎らだが、野原の一軒家というわけではない。

門を潜ると既にグレースが待っていた。

「おはようございます、よろしくお願いします」

うん、営業スマイルが明るい。

やはり二階家だが、作りが豪華だった。ちょっと貴族の家を想像させるくらいだ。

「随分、豪勢な作りですね」

「ええ、元々は男爵家が別荘のように建てたんですが、当主が急死なさってしまい、手放すようになりました」

この家は客用なのか部屋数も多い、風呂も奥に小さいが二つ目がある。

庭は家の裏手に、畑と竹藪に隣接する形で広く有った。一応、板塀によって仕切られており、築山や小さい池もある。

郊外なせいか、値段のわりに随分豪華だ。


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