表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/118

トレント

「ねえ、リードかノラはレイスと戦ったことはあるかしら」

「いや、ないな。見るのも初めてだ」

「ないです」

イザベラは一つ頷いて続けた。

「もうレイスは出てこないかもしれないけど、もし次にアンデッドが出てきたら、ノラに戦ってもらったらどうかしら」

「私が戦うですか」

ノラが目を白黒させている。

まあ、ウーコンでさえ自信のなさそうなことを言う相手と戦えと言われればそんな反応だろうな。

「魔法学校で習ったことがあるんだけど、確かアンデッドには聖属性の魔法が有効なのよね」

「へえ、そうなんだ」

「ええ、魔法はいろんな分類法があるけど、属性分類の聖属性なのよね」

「火属性とか水属性とかいうやつか」

「そうね」

それなら聞いたことはある。

「ノラは回復魔法が得意でしょ」

「はいです。聖女ですから」

自称聖女だけどな。

「回復魔法はものにもよるけど、聖属性に分類される場合があるのよね」

「私の魔法は聖属性でしたか」

「だから、ノラがホーリー系の魔法が使えれば対アンデッド用の秘密兵器になるかもしれないわ」

「私は秘密兵器です」

「なるほど、それが本当なら期待できるかもしれないな」

「期待してくださいです」

「まあ、いきなりできるとは思えないから、まずは練習だな」

そんな話をしながら回廊を進んだ。両側は壁で窓は無いが、ところどころに灯りが点してある。熱くないので、魔法のようだ。

床も天井も大理石のようにすべすべしている。俺達の足音が響き渡る。

最初の角を左に曲がると同じような通路が続いている。

突き当りまではやはり100メートルくらいか。モンスターは全くいない。この回廊に居た奴は全て入口に集まったようだ。

次の角を左に曲がると50メートルくらい先の左側に出口が見えた。

近づいて回廊の外を見ると、何段かの階段を降りるようになっている。地面は外回りより少し高く盛られているようだ。やはり大木が生えているが、その向こうに建物が見え隠れしている。

「さて、この先はどうかな」

ウーコンが楽しそうだ。

俺とイザベラで索敵すると何かおかしい。

「何か居るわね」

「何も見えないがな」

「透明モンスターってことかしら」

「それは厄介です」

「そんなモンスターがいるの」

シロウが少し口角を上げた。

「ここはイザベラに活躍してもらいましょう」

「私?」

「ええ、ファイアーボールを随分練習したでしょう」

「そうね」

「最大級のファイアーボールを真正面に撃ち込んでください」

「木も燃えちゃうわよ」

「燃えても構わないでしょう。多分、怒ったモンスターがこっちに来ますから、私とウーコンで相手をしましょう」

随分乱暴な戦術だな。リードも力を持って、イケイケになってしまったようだ。

「リードとノラはジミーを守って回廊の陰に隠れてください」

俺達は言われた通りに隠れ、ウーコンとシロウが階段を降りた。土の上に立つ。それぞれの得物を構えた。

「行くわよ」

イザベラは直ぐに逃げられるように回廊の上から魔法を叩きこむ。

「頼むぜ」

「ハアッ」

掛け声と共に巨大なファイアーボールが正面に打ち出された。

ゴーっという音と共に何本もの樹々を薙ぎ倒し、一際巨大な一本の木にぶち当たる。

巨木は根元が折れ、向こう側にゆっくり倒れこむ。ほとんどが樹々と草なので、たちまちあたりは火の海となった。この中庭燃え尽きちまわないか。

「ゴオオオオ」

何の音かと思ったら、燃えだした樹々がこちらに向かって来た。それほど大きくはない木だ。

根を土から抜いて足のように動かしながら、それなりのスピードで迫ってくる。

高さは4~5メートルくらい、太さは一抱えもあるだろうか。

「木のモンスターだったのね」

イザベラがこちらに身を寄せてきた。

「あれは多分トレントっていうモンスターです」

ノラの知識にあるようだ。

ウーコンは走り出し、シロウは両の手に魔剣を高々と上げた。

トレントは見えるだけで30体は居るだろうが、ほかの木と見分けが付き辛く、あたりは炎が高くなってきたので視界は悪い。

ウーコンはニョイボウで片っ端から叩き折っていく。

シロウが二本の魔剣を重ねるようにすると、何本もの稲妻が走った。

バリバリっという音と共にトレントがはじけ飛んだ。

間もなく、動く木は無くなったが、炎は轟々と燃えている。

このまま燃やし尽くすのかな。

シロウが左手の赤の魔剣を垂直に、右手の青の魔剣を水平に重ねるようにした。

ザーーっという音がしたかと思うと、凄まじい豪雨が降り注いだ。水魔法と言うよりは、天候を操ったとしか思えない。

暫くすると火も消え、二人は戻ってきた。ウーコンは濡れ鼠だ。

「シロウひでえじゃないか。水浸しだぜ」

「ああ、申し訳ありません」

シロウが赤の魔剣を近づけると温風がウーコンに吹き付け、たちまち水が乾いていった。

もうなんでも有りだな。


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ