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防具

「じゃあ、早速防具を買いに行くか」

「それと魔石も要るのよね」

エリザベスがさらっという感じで言った。

「魔石なら売らずにとってある分が家にあるけど、どれくらい必要なんですか」

「そうね、鎧だけじゃなくて小手とかにも使うから20は欲しいわね」

「魔石もピンキリだろうが、20なら十分足りるだろう。イザベラ取ってきてくれるか」

「いいけど、リードは防具屋に行くの」

「ああ、俺は財布だから行かないわけにはいかないだろう」

「ええと、採寸があるでしょうから当然ジミーは行くし」

「私も行くわよ」

「私も行く」

「私もよろしければ同行させてください。防具の選び方とかにも興味がありますので」

結局イザベラ以外は全員か。大所帯だな。

「ちなみにアイシャ、魔力の付与は何日くらいかかるものなんですか」

「そうね、防具の数全部だし、魔石を縫い込んでから魔法陣を書かなきゃいけないし・・・」

少し考え込んだ後、

「1ヶ月は見てほしいわね」

「ええー、そんな待てないよ、三日でやってよ」

「何言ってるの、丁寧な細かい作業になるのよ、そんな直ぐできるわけないじゃない」

「アイシャ10日でやりましょう」

「えっ、10日ですか」

「ええ、私も手伝うわ。シロウもお願いね」

「もちろんです」

「じゃあ、ジミー。10日待ってちょうだい」

「うん、わかりました。俺も手伝います」

「あんたはかえって邪魔だからいらない」

「ええーー」

「姉弟喧嘩している暇はないわよ」

俺たちはイザベラに魔石を取りに帰ってもらって、残り全員で防具屋に向かった。

イザベラが先に戻るかもしれないので、店に鍵は掛けずに、熊型ゴーレムに店番を任せた。接客は大丈夫なのかな。

「少しの時間も惜しいでしょうから、私に移動をお任せください」

それほど遠いわけではないが、防具屋までシロウの転移術で移動した。

「転移術が使えるのね」

そう言うが、エリザベスは驚いている様子は無い。

「師匠は魔法が使えると聞きましたが、元は冒険者なんですか」

「純粋な冒険者とは言えないかもしれないけど、ギルドの登録はまだ残ってると思うわ。錬金術は材料が必要だから、素材採取に行くには冒険者紛いのことも必要なのよね」

この人ならその辺の冒険者には引けを取らないだろうな。

「師匠のクラスをお聞きしてもいいですか」

シロウは勇気があるな。

「あら、女性に歳とクラスは聞かないものよ」

「それは失礼しました」

軽くいなされてしまった。


「ねえ、俺の鎧はやっぱりプレートアーマーがいいよね」

「なに馬鹿なこと言ってるの、そんなの着たら動けないでしょ」

「そこは魔法付与で何とか」

「今度の宝探しはジミーは守ってもらう側だからプレートアーマーっていう選択肢もあるでしょうね。でも、やっぱりあれは重いわよ。私も着たことあるけど、細かく動けないからいろいろ不便が出るのよね。トイレにいくのだって大騒ぎよ」

プレートアーマーを着て暴れる冒険者だったんだろうか。みんなの顔が引きつっているのがわかる。

「だから、ジミーは軽めの物を分けて装備するタイプにしなさい。魔法はしっかり付与するからそれで大丈夫よ」

「うん、わかったよ」

「はいっていうのよ、はいって」

この姉弟は少し離しておいたほうがいいかもしれない。


結局、鎧は革の軽鎧に小手やレギンスなどを別々に用意した。別に盾としてカイトシールドを購入した。

やはり帰りもシロウの転移魔法で時間短縮しようとしたが、

「今度は私にもやらせてちょうだい」

エリザベスが言うや否やみんなの体が錬金術の店の前に移動した。身体さえ触れずにあっと言う間だ。

「流石、師匠にはかないません」

「魔法も使っておかないと錆びついちゃうからね」

うーん。この人もやっぱり化け物だったか。


「あっ、ちょうどよかった」

戻ると、店にはイザベラが帰っていた。

「今、クマゴロウとお話していたのよ」

「クマゴロウって、このゴーレムの名前か」

「ええ、私がつけたの。いい名前でしょ」

凄いセンスだな。

「流石師匠です、歴戦の勇者の様です」

シロウは感動したような表情をしている。別に忖度して言っているわけではないようだ。化け物たちのセンスはわからないな。

「クマゴロウは物知りなのよ、モンスターの種類や特徴から倒し方までなんでも知ってるの」

「ソレホドデモナイデス」

喋るんだ。まあ、アイシャやノラと喋っていればこのくらいの喋り方なら不便はないな。


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