打ち合わせ
海の街では随分働いたのでみんな腹ペコだ。
買い置きのもので簡単な夕飯を用意して済ますことにした。
「それじゃあジミー、今言えるだけのことを教えてくれ」
「そうだね、何から話したらいいかな」
ジミーはバッグをごそごそやって何か取り出した。
「これが簡単な地図なんだけどね」
見せたのは40~50センチくらいの大きさの紙。真ん中に線が引かれ、右と左それぞれに地図らしきものがかかれている。
「こっちがラースター全体の地図だね。この印の所、ラースターと言っても北の山地の中だけど、ここに遺跡が有るんだ」
「ほお、早速遺跡ですか」
シロウが目を輝かせている。
「うん、それでこっちの地図がもう少し細かいやつだね。山のこの辺に遺跡が有るんだけど、道らしい道もない。モンスターもいるだろうから、近づくだけでも厄介だね」
「はは、ジミー。お前は運がいい。俺達ならその厄介をかなり割り引けるぜ」
「そうなの」
「ああ、俺達は飛行術も使えるが、ウーコンとシロウの移動方法なら、この遺跡にたどり着くのも難しくはないだろう。シロウの転移魔法はもう体験したんだから、俺の言ってることはわかるだろう」
「そうだね。僕は運がいいんだろうね。ウーコンさんはどんな魔法が使えるの」
「ウーコンでいいぜ。もう仲間なんだから。
俺は雲を呼び出して空を飛ぶことができる。それに乗ればジミーも山までひとっ飛びさ」
「へえ、それはありがたいね」
「はは、ションベンちびるなよ」
「こども扱いしないでよ。飛行術は使えないけど、空を飛ぶくらいで怖がるわけないだろ」
「だとよ、イザベラ」
「私はか弱い女性なんだから仕方ないでしょう。それに、もう慣れたわよ」
イザベラが頬を膨らめた。真っ赤になってるな。
「筋斗雲で全員移動するということでいいですか」
「ああ、その方が周りの地形も確認しながら行けていいだろう。シロウの転移術の方が手っ取り早いかもしれないが、まだ向こうの様子がわからない。最初は慎重に行きたいな」
「わかりました。筋斗雲ならジミーを守るにもいいかもしれませんね」
「何か用意する物はあるのか」
「さっきジミーが言ってたように、お姉さんに魔法を付与してもらった防具がいるんじゃないの」
「じゃあ、明日は錬金術師の所に行くとして、ほかに何か要るのかな」
「いつもの冒険のように、ポーションとか薬草は普通に用意が必要でしょうけど、緊急時の用意がなにかあるかしら」
俺達はあまり緊急時ってのがないから、こういう時に考えちまうな。
「どちらにしても最初は様子見のつもりでどうですか。どんな魔物が居るかもわかりませんから」
話がある程度済んだところでイザベラとノラは風呂に出かけた。
ジミーは俺の部屋のソファーで寝ることにした。
翌日はみんな早く目が覚めたようだ。興奮しているのかもしれない。
朝食を摂りながらも宝探しの話は出る。
「お宝はなにが出るか楽しみですです」
「ノラみたく狙っていると、宝箱型モンスターのミミックに出くわすかもしれないわよ」
「ええ、酷いです」
みんなテンションは高そうだ。
「エリザベスさんのところはみんなで行くのか」
「俺は行こうと思っている。ジミーとシロウは当然として、みんなはどうする。全員が行く必要もないだろうが」
「私はついて行くわ」
「俺は遠慮しとくよ」
ウーコンは魔道具にはそれほど興味を示さないな。
「それじゃあ、私はウーコンとデートに行くです」
「おお、それは楽しみだな」
うん。仲良くて結構なことだ。




