表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

69/118

魔眼

「助けてくれてありがとう。まあ、ほんとは俺一人でもあんな奴はどうってことなかったけどね」

一応礼は言ったが、なかなか負けず嫌いな奴のようだ。

港町らしく麦わら帽子をかぶっていたが、取ると随分若い。子供に見えなくもない。

「俺はジミー。割と最近露店を出したんだけど、あのデカ物がうるさくってね。まあ、実際のところ助かったよ。あれはなんかの魔術だろ」

「へえ、いい眼をしているようだな」

「はは、鑑定には自信があるんだ。あんた達がただ物じゃないのもわかるぜ」

「鑑定が商売なのか」

「そうだね。隠れた宝を発掘して店に出してるんだ。目利きができないと商売あがったりさ。

ところで風の噂に聞いたんだけど、ラースターのギルドでSクラスの冒険者が認定されたんだってね。それも猿人の」

そう言って、ウーコンを横目で眺めた。

「眼だけじゃなくて耳もいいんだな」

「ありがとう、褒められるのは嬉しいね。だけど、俺がもっと気になっているのはそっちのお兄さんさ」

ジミーはシロウの方を見やった。シロウの凄さが分かるのかな。

「さっきのデカ物もお兄さんがやったんだろ。どうやったのさ」

「ばれてしまいましたか。まあ、眠ってもらっただけですが」

「その胸のペンダントが怪しいね。それ強力な魔道具でしょ」

流石にシロウの顔色が変わった。

じっとジミーの顔を見つめた。

「魔眼ですか・・・」

「お兄さんもいい眼のようだね。俺のは生まれつきなんだ。ギフトってやつだね」

生まれついての特殊能力をギフトって言うのは聞いたことがある。魔眼ってのも言葉は聞いたことがあるが、これが本物なのか。こいつもシロウ並みの化け物なのか。

「まあ、お互い腹の探り合いは止めておきましょう。私達は敵対するより、むしろ協力したほうがいいと思いますよ」

「そうだね。ごめんごめん。俺はおしゃべりなのが玉に瑕でね。つい、言わなくてもいいことを言っちゃうんだ。それで何度も痛い目にあってるんだけど治らない。これは性分だね」

確かに随分お喋りのようだ。

「ところでジミーは露店を出すと言ってたけど、商品はどこにあるのかしら」

「ああ、これだよ」

そう言って、背負ったリュックを下ろした。

リュックの口を広げると、中から一抱えもある壺を出してみせた。

「マジックバッグか」

「ああ、そうだよ。流石にSクラス級の冒険者の人達は知ってるんだね」

「ああ、俺達も持っては居るが、お前はそんなに金回りがいいのか」

「そうだね。掘り出しもんを手にすれば金回りがいい時もあるけど、普段はピーピーしているね。このマジックバッグは姉さんに作ってもらったんだ」

「へえ、姉さんか」

「ああ、姉さんは腕のいい錬金術師でね。俺が独立する時に餞にくれたんだ」

「いい姉さんだな」

「へへ、そうだね」

ジミーは愛想を崩した。年相応と言うか、笑うと幼さが顔に出る。

「お兄さんたちは冒険者でしょ。エイジラーには仕事で来たの」

「ああ、コーガ―で一仕事してきたんだが、海は珍しいんでね。それでこっちまで足をのばしてみたんだ」

「ジミーは冒険者ではないですか」

「違うよ。残念ながら腕っぷしには自信がないんだ」

正直なところだろうな。あのデカ物がどうってことないってのは見栄を張っていたようだ。

「じゃあ、掘り出し物は自分で冒険して探すわけではないですね」

「そうだね。知ってる冒険者が持ち込んでくれたのを代わりに売ったり、お宝の噂を聞いたら、その話を流して探してきてもらったりだね」

「じゃあ、私達がお宝を探してくるのもいいかもです」

宝探しか。夢があるかもしれないな。

「ねえ、お兄さんたちは強いんでしょ。僕を宝探しの冒険に連れて行ってくれるってのはどうかな」

ジミーが目をキラキラさせて言った。

俺達は誰ともなく顔を見合わせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ