新パーティ
ウーコンはジェミニに加入することになった。キントウンのメンバーのまま重複して登録することをギルドが認めたのだ。今まで例がなかったわけではないらしく、俺達が聞いたことがなかっただけのようだ。
結局、俺達は自由な形態を続けることになった。
ジェミニもSクラスはそう頻繁に冒険に出るわけではないらしく、週一くらい。
シロウは錬金術に泊まり込むことが増えてきた。
残りの俺達も依頼をこなしたり、剣術、魔術の訓練をしたりと、それぞれ充実した日を送っていった。
もちろん休む時は休む。
順風満帆と言ったところだろうな。
「ヴァレンティーナ、ジョナサンよろしく頼むぜ」
「ああ、よろしくな」
「うむ、よろしく」
キントウンのメンバーと行く冒険も楽しいが、ジェミニに入っての冒険もワクワクするぜ。
Sクラス向きの依頼はそう出ないようで、素材集めの狩りに行くことが多いようだ。
ギルドに行く先を告げて外に出た。行先はサーギの森だ。
「移動は何で行く」
「そうだな、私達は大体馬だ。飛行術での移動は可能だが、それなりに魔力を消費するからな」
「じゃあ、俺の術で雲に乗っていくか」
「雲?そんなことができるのか」
「ああ、論より証拠だ」
俺は筋斗雲を出し、二人を乗せた。
「へえ、これは面白いな。ウーコンは力が凄いのはわかっていたが、こんなことまでできるのか」
「喜んでもらえて嬉しいよ」
ジョナサンは重い鎧を身に着けているせいか、疑わしい目つきで足元を見ている。
ヴァレンティーナに方向を教えてもらってキントウンを進めると、森の上空に到着した。
「なんて早いんだ。飛行術でもこれほど早くは中々飛べないぞ」
「うむ」
「今日はでかいやつを片付けようと思ってるんだ。あっちの方に行ってみてくれ」
俺はヴァレンティーナの言う方向に筋斗雲を飛ばした。森の木々が途切れた所に着陸した。
「ああ、ここらでいいな。確かこの先にトロルが結構いるはずだ」
「トロルってのはどんな魔物なんだ」
「まあ、巨人の部類だろうな。でかい体で棍棒持って暴れるっていう原始的な奴だが、結構な再生力がある。腕を斬り落とせば生えてはこないだろうが、傷は割と短時間で修復するようだ。気を付けるのはそのくらいだな。持久戦に強いってことだが、私達の敵ではないがな」
ヴァレンティーナが認める魔物と言うとやはり竜くらいかな。こちらの世界では竜が一番らしい。
「じゃあ、いくか」
俺達は樹々が少ない、どちらかと言えば岩場のような場所を移動した。
とたんにバサバサっと音がして、上から影が差した。
あっと言う間に魔物が上空から急降下して、鋭い爪を向けてきた。
ザクっと音がして、翼を持った魔物はヴァレンティーナの剣で真っ二つにされていた。
「ワイバーンだな。ここはトロルだけじゃくて、ワイバーンも出るんだったか」
「姉さん。随分いるぞ」
ジョナサンが珍しく口を開いたが、確かに随分居る。空を埋め尽くす程とは言わないが、20匹近い翼を持った魔物が旋回している。ワイバーンといったか。体長はせいぜい3メートルくらい。翼を広げているから横幅は5メートルを超えているかな。蜥蜴のような顔をして、蝙蝠みたいな翼を羽ばたかせている。ギャーギャーとうるさく鳴きだした。




