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討伐

マンティコアはタイミングを計って一気に間合いを詰めた。

前足の爪をぞんぶんに振るってトリオンに迫る。トリオンはショートソードを細かく振ってその爪を弾いた。愛用のトライデントはマンティコアの地面に横たわっていた。

マンティコアは前足を右、左と繰り出してトリオンを休ませず、トリオンが捌くのに手いっぱいと見るや頭上から毒針の尾を振るった。

そのつどトリオンは体を地に投げ出すようにして躱しては、反転して膝立ちに起き上がる。

「トリオンさまー」

黄色い声が悲鳴のように続く。誰もがトリオンの苦戦を思っていた。

「グワッ」

トリオンが地面に転がったと見えた時にマンティコアが悲鳴を上げた。

見るとその右目から短剣が生えるように突き立っていた。トリオンが身を起こすと同時に投擲したのだ。

モンスターが怯んだその一瞬に剣闘士は己の得物に跳びついた。

トリオンはトライデントを手にすると手練の早業で穂先を繰り出す。

片目となり、距離感を失ったマンティコアの右前足の付け根に三叉槍がざっくりと突き刺さった。

「グゴオオオッ」

マンティコアは身を捩るが見かけ以上にトリオンの力が強く、槍は抜けない。

トリオンは器用に三叉槍の柄を脇に滑らせるようにしてマンティコアに近づき、右手に持ったショートソードでモンスターの首を深々と貫いた。

マンティコアはグワッと口を開き、トリオンの肩口にガっと噛みついたが、既にその力は弱り、鎧に傷をつけるだけだった。トリオンはザっと抜いたショートソードを上段から打ち下ろし、モンスターの太い首を一太刀で断ち切った。


「止まっているですね」

「斬りこめば正気に戻るでしょう。短い時間で勝負をかけた方がいいですね」

「よし、一斉にかかるぞ」

二人は魔剣を構え、俺は剣に魔力を注いだ。

「いくぞっ」

俺の掛け声で一斉に斬りかかった。

俺は魔力を注いだ剣で一息に5匹を斬り倒した。

「ウギャアアア」

キラーエイプたちの絶叫で、残りの者が気付いたようだ。

間髪を入れずもう5匹をなで斬りにする。

振り向くと、ノラが最後の1匹を袈裟懸けに斬り捨てていた。

「ガアアア」

息つく間もなく、木の向こうに居たキラーエイプ達がこちらに向かってくる。樹上に居た奴らも上から襲い掛かってきた。

俺は最初の3匹を斬ると舞空術で宙に飛び、落下するキラーエイプをすれ違いざまに3匹斬った。

「きゃっ」

ノラが後ろから最後の1匹に襲われたが、俺が向かう前にシロウがその首を落としていた。

「ノラ大丈夫か」

「うう。鎧の隙間から爪で抉られたようです」

「どれ、見せてみろ」

見ると、脇を抉られて出血している。

直ぐにヒールをかけてやる。深手ではないので傷はみるみる塞がっていく。

「ありがとうございますです。痛みが取れました」

「おお、聖女様も自分にヒールを掛けるのは難しいだろうからな」

「はい、助かりました」

ノラが傷ついたのを喜ぶわけじゃないが、冒険はこういった危機感も大事だよな。


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